本学 循環農学類 園田高広教授が令和6年度農業電化推進コンクールで農林水産省農産局長賞(大賞)を受賞

Date:2025.07.03

NEWS NO.25(2025年度)
本学 循環農学類 園田高広教授が令和6年度農業電化推進コンクールで農林水産省農産局長賞(大賞)を受賞
一般社団法人農業電化協会が主催する 「令和6年度農業電化推進コンクール」において、本学循環農学類 園田高広教授とベルファーム株式会社が共同で応募し、農林水産省農産局長賞(大賞)を受賞しました。本コンクールは、農業の電化による効率的な経営や、省エネルギー技術の向上・改善に対し、意欲的に取り組む個人、事業者、農業団体の好事例を紹介し、広めることを目的として実施されております。

今回、園田高広教授より、内容についてご説明いただくとともに、受賞についてコメントをいただきました。

表題
「ポテライトを活用し生産性および労働安全性を向上させたホワイトアスパラガス生産への取り組み」

概要
北海道電力株式会社が開発したポテライトは、ジャガイモの貯蔵施設で活用され、緑化の防止や労働安全性の向上に寄与しています。ジャガイモと同様に国内での需要が高いアスパラガスでは、食の多様化や洋風化から生食用のホワイトアスパラガスの生産が増加傾向にあります。現在、ホワイトアスパラガスの生産方法は、遮光資材をハウスに被覆する栽培法が主流です。しかし、その収穫時の労働環境は高温多湿であることに加えて、暗所であるため、労働生産性が低く、安全性の確保にも苦慮しています。また、出荷調整作業時も緑化を避けるために極力照度を下げた環境下であることから、作業効率が著しく低くなります。そこで、国内でも有数のホワイトアスパラガス生産の規模を誇るベルファーム株式会社において、ポテライト照射による生産性および労働安全性の向上に取り組みました。ポテライトのホワイトアスパラガス生産への応用にあたっては、本学が開発した技術( 2023 年に農業電化研究会で発表、農業電化 76 号 41 47 頁に掲載、特許出願中)を用いました。その結果、ホワイトアスパラガスの収穫作業および出荷調整作業の大幅な改善が図られるとともに、労働安全性も確保できました。この成果によりベルファーム株式会社では、ポテライトの活用によるホワイトアスパラガスの生産拡大を図る計画であります。

 

「エネモールBiz マガジン Vol.10」 pp.11-12

 

受賞者である園田高広教授のコメント
今回の研究のきっかけは、以前から交流のあった農業高校の先生に北海道電力さんをご紹介いただいたことから始まりました。農業分野で光を利用した研究は注目されていますが、社会実装まで至る成果は少ない状況です。本研究を進めるにあたり、研究内容に興味を持って真摯に取り組んでくれた担当学生とブラジルからの留学生の力はとても大きかったと思います。それに加えて、大規模でホワイトアスパラガスの栽培をされているベルファームさんとともに実証試験に取り組めたことも今回の受賞に欠かせない要因であると考えています。このように研究成果が社会実装されるためには、多くの方々のご尽力が欠かせません。改めまして関係者の皆様に感謝して申し上げます。

園田高広教授



【関連】
◇令和6年度農業電化推進コンクール開催概要(一般社団法人農業電化協会)
https://www.noden.or.jp/jissiyouryou.html
◇園田高広教授(農場生態学研究室)
https://www.rakuno.ac.jp/archives/teacher/9287.html
◇ベルファーム株式会社
https://www.bell-farm.jp/