本学 食と健康学類 金田勇教授が令和7年度日本バイオレオロジー学会で岡小天賞を受賞

Date:2025.07.08

NEWS NO.29(2025年度)
本学 食と健康学類 金田勇 教授が令和7年度日本バイオレオロジー学会で岡小天賞を受賞
本学 食と健康学類の金田勇教授が、令和7年度「日本バイオレオロジー学会 岡小天賞」を受賞しました。
岡小天賞は生体および生体を構成する物質の「流動」や「変形」に関するバイオレオロジー(生体や食品などの“流れ”や“やわらかさ”といった性質)の研究分野で顕著な業績を挙げた研究者に贈られるもので、原則として毎年1名のみが選ばれる賞です。

金田教授はこれまで、食品の「食感」や「やわらかさ」などの物性について、長年にわたり先進的な研究に取り組んできました。特に、食品に含まれる“水に溶ける食物繊維(=水溶性多糖類)”や“ゼリー状にする成分(=ゲル化剤)”に着目し理論的に解明してきました。こうした研究は、食品のおいしさや食べやすさを高めるうえで、大きな役割を果たしています。
これまでの代表的な研究成果として

・寒天ゲルからの水分移動を“応力-拡散カップリング理論”によって説明した研究
・寒天を微細化してマヨネーズに応用し、風味を損なわずに脂肪分を抑える技術の開発
・チーズの食感を調整するための製造過程への物理刺激の応用と、それによるレオロジー特性の変化の解明

などがあり、食品の食感改良や健康志向の製品開発にも貢献しています。
さらに最近では、X線を使って食品の構造を詳しく調べる専門家とチームを組み、食品の変化を分子レベルで解析する新たな研究にも取り組んでいます。

受賞者である金田勇教授のコメント

食べ物の「おいしさ」を決める要因は味や香り(風味)はもちろんのこと、「歯ごたえ」「くちどけ」といった食感も重要です。この食感は「硬い」「流れやすい」といった力学的な特性として整理することが出来ます。食品物理学研究室では様々な食品の「物理的なおいしさ」に関する研究を長年進めてきました。今回の受賞はこのような研究成果に対して贈られたと認識しています。これからも食べることが大好きな学生諸君と食べ物のおいしさのヒミツを、物理を使って解明していきたいと思っています。


金田 勇 教授


学生との研究風景

授賞式の様子


このたびの受賞は、食品を対象としたバイオレオロジー研究における一連の成果とこれまでの貢献が高く評価されたものです。今後のさらなる研究の進展が期待されます。


【関連】
◇金田勇教授(食品物理学研究室)
https://www.rakuno.ac.jp/archives/teacher/9288.html
◇食と健康学類
https://www.rakuno.ac.jp/department/food.html
◇特定非営利活動法人日本バイオレオロジー学会
http://www.biorheology.jp/