金田  勇

食と健康学類

金田  勇 かねだ いさむ

教授

研究室番号
C8-203

教員・研究室

取得学位 博士(農学)
研究室・ユニット名 食品物理学
研究テーマ 分子ガストロノミーを志向した食品の物理学
学びのキーワード 食感改質食品レオロジー分子ガストロノミー食品加工食品の構造食品コロイド
教育・研究への取り組み 食べ物の「物理的な美味しさ」について研究しています。研究室に配属になった学生諸君は食品の物理的性質の研究方法を学んだうえで、チーズ(乳製品)、スポンジケーキ(たまご)、わらび餅(でんぷん)など様々な食品を題材にして「美味しさの秘密」を探る研究を展開しています。卒業後は食品の製造・開発研究に取り組めるような人材を育成しています。
受験生へのメッセージ 食べ物の美味しさの解明に興味があり実験が大好きな人を大募集しています。当研究室は全国でも数少ない食品の物理的特性を本格的に勉強できる研究室です。「〇〇ってなぜこんなに美味しいんだ?調べてみたい!」と思っている諸君を待っています。物理や数学が苦手でも大丈夫です。しっかりとトレーニングします。一緒に楽しく勉強しましょう!
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研究シーズ

研究キーワード レオロジー 食品コロイド科学 ソフトマター
分子・物理的美食学を目指した食品物理化学
研究の概要・特徴

食品の美味しさとは多くのファクターが関連する極めて複雑な現象である。美味しさを決定づける主要なファクターはいわゆる「化学的な美味しさ」、すなわち風味であること明らかであろう。具体的には塩味、甘味、酸味、うま味などは原因物質は特定され、その濃度および組み合わせで「化学的な美味しさ」が決定する。一方で我々はそのなかでも「物理的な美味しさ」という切り口で研究を進めている。これは広い意味での「食感」に関連する美味しさであり、測定可能なパラメータは力学特性(レオロジー特性)である。対象となる食品のレオロジー特性を様々な理論モデルを駆使して定量的に評価し、そこで観察された現象論的な特性の原因を構造解析(X線散乱、各種顕微鏡観察)により分子論的に説明し理解を深めることを目標としている。このような方法論は新しい「美味しさ」を発現可能な食品開発のスタイルを提案できると考えている。
一方で我々は分子・物理美食学を指向した研究も展開している。食文化は長い歴史(経験)を経て確立されたものであり、その大部分が「暗黙知」で構成されている。この多くの「暗黙知」を分子論的観点で「形式知」化することも我々の研究の目標である。その「形式知」が定量性をもつ情報に変換できれば食のDX(デジタルトランスフォーメンション)につながると期待している。
最近の研究テーマを如何に挙げる
・製造工程の改変によるセミハードナチュラルチーズの食感のコントロール
・デンプンペーストの線形レオロジー特性とナノ構造の相関  ・ミクロゲルの食品への応用(低油分マヨネーズ etc)
・溶融チョコレートの流動特性に対する乳化剤の添加効果  ・食品に活用される泡の物理学   など

食品レオロジー研究のツールとしてのweak-gel model 食品レオロジー研究のツールとしてのweak-gel model
チーズの食感改良に関するプロジェクトの概要 チーズの食感改良に関するプロジェクトの概要
ミクロゲルの食品への応用に関する総説 ミクロゲルの食品への応用に関する総説
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

食品製造業の皆様へ
日々の製品製造でのトラブルシューティングでお困りの際は是非ご相談ください。我々は常に「問題」を探しています。実製造現場は研究のネタの宝庫であると考えています。またアイデアは明確なのに具体的な対応策が見つからない場合もご相談いただきたいと思います。特に食感の調整(力学特性の調整)や安定化に関する課題には対応できる場合が多いと思います。お気軽にコンタクトして下さい。