農業施設学研究室の学生たちが白樺祭でバイオガス発電の有用性などについて紹介
Date:2025.07.27
NEWS No.40(2025年度)を開催
農業施設学研究室の学生たちが白樺祭でバイオガス発電の有用性などについて紹介
7月5日(土)、6日(日)に開催された第29回白樺祭において、本学循環農学類農業施設学研究室の学生たちが、バイオガスを利用した発電の有用性やEV車の電気を災害時にどのように活用することができるかなど、来場者に研究室の研究内容の説明をおこないました。
農業施設学研究室の学生たちにお話をうかがいました。
――日常の研究テーマや活動内容を教えてください。
研究室では、畜産の糞尿処理やバイオガスプラントの運転評価・経済性、堆肥などについて研究をしています。今年度は指導教員の石川志保准教授がドイツに留学しているため、各自の研究テーマは維持しつつ、他のゼミに所属しながら研究を進めています。
――今回の白樺祭での活動を教えてください。
酪農学園大学のバイオガスプラントは、2000年に酪農生産ステーションへ導入されて稼働が始まりました。その後、2019年に施設の老朽化などの理由により稼働が停止して一時的に発電が停止していましたが、発電機が更新されたことにより今年度から発電を再開しました。発電された電気は現在バイオガスプラント自体の運転や農場設備など、主に学内で利用されています。
しかし、私たち農業施設学研究室の学生たちは、学内外の多くの人たちにバイオガスを利用した発電方法やバイオガスプラントについてあまり知られていないと感じていました。ある時、髙島英也理事長から「白樺祭で研究内容について発表をおこなうのはどうだろう。」と提案があり、私たちもバイオガスプラントについて多くの人たちに知ってもらいたいと考え、髙島理事長や石川先生をはじめとした多くの方たちのご協力のもと、農業施設学ゼミのゼミ生が結集し、バイオガスプラントの紹介動画を制作して発表することとなりました。
白樺祭当日は、白樺祭実行委員会協力のもと酪農学園生協横の自転車駐輪場において、北海道日産株式会社様よりお借りしたEV車に搭載された電気を活用し、紹介動画を映すモニターやパソコンの起動などをおこない、来場された方に対してバイオガスを利用した発電の有用性や災害時にどのように活用することが出来るかなどについて説明をおこないました。
来場された方たちの反応は、初めはバイオガスプラントについて知らないと答える人がほとんどでしたが、「地球温暖化や身近で発生する可能性のある自然災害のことを踏まえ、今後はバイオガスなどの再生可能エネルギーを有効活用していかなければならない。」などのお言葉をいただき、バイオガスプラントに関することを少しでも多くの人に知ってもらうことができ、ゼミ生一同喜びに満ち溢れました。
また、今回の動画を制作するにあたり循環農学類4年の武内勇樹さん(酪農・畜産経営論研究室,指導教員日向貴久教授)が動画編集の中心となって貢献してくださいました。
――研究の社会的影響や期待される効果はどのようなことですか。
バイオガスなどの再生可能エネルギーの活用を進めていくことで、環境に対する負荷を軽減させながらエネルギーを活用する持続可能な社会の実現を目指していきます。
また、バイオガスプラントで発電された電気は、電気自動車にも活用されることにより災害時には地域の電力供給や非常用電源としても活用することができるようになります。
――今後の展望について教えてください。
本学では、バイオガスプラントの他にも冬においても発電が可能な縦型ソーラーパネルを導入しており、バイオガスプラントと合わせて発電をおこなっています。今後は、このような再生可能エネルギーの活用を促進できるよう情報発信を続け、再生可能エネルギー100%で運営する大学農場を目指していきます。
また、私たちの研究成果が広まることで多くの酪農家に社会実装され、酪農業の持続可能性を高めることに貢献していきたいと考えています。
――動画編集で貢献した武内勇樹さんのコメント
酪農・畜産経営論研究室4年 武内勇樹さん(岡山県立笠岡商業高校出身)
1年生から面識があった農業施設学研究室の大塚純平さんに声をかけられたことをきっかけとしてお手伝いすることとなりました。
大学生になって本格的に勉強し始めた動画編集のスキルをこのような形で使わせていただき、大学に貢献できて光栄です。
たくさんの方々の協力があって完成した動画だと思っています。
今後は、英語とドイツ語の字幕を追加して海外の方にも見られるようにしたいと考えています!
動画撮影の様子
農業施設学研究室の学生紹介
林 七海 修士課程1年 (農業施設学研究室、白鵬女子高等学校 出身)
【研究テーマ】バイオガスプラントの運転評価、副資材投入後のバイオガス発生量の変化
大塚 純平 4年 (兵庫県立農業高校 出身)
【研究テーマ】牛糞堆肥に関する研究に興味があるため、卒業論文も牛糞堆肥についてのことで進めていければと考えています。
増戸 悠太 4年 (東海大学付属市原望洋高校 出身)
【研究テーマ】堆肥に関する研究に興味があります。あとは、実家が耕畜連携に取り組んでいて、WCS(ホールクロップサイレージ)を活用した水稲農家との支援循環型農業の実践について研究しようと考えています。
古関 大輝 4年 (熊本県立菊池農業高校 出身)
【研究テーマ】糞尿処理について興味があり、農業施設学研究室では雑草の種子を取り除いて耕種農家さんに利用してもらう研究をおこなっていて興味を持ちました。
梶山 帆南 4年 (東京都立瑞穂農芸高校 出身)
【研究テーマ】卒論テーマはまだはっきりは決まっていませんが、乳牛の呼気由来のメタンガス排出に興味があるので、このテーマで卒論を進められたらいいなと思っています。
矢野 湧大 4年 (東北学院榴ケ岡高校 出身)
【研究テーマ】バイオガスプラントの経済性に着目したことをやりたいと考えています。
福田 拓登 4年 (北海道帯広緑陽高校 出身)
【研究テーマ】畑作農家における堆肥活用増加や糞尿処理について調査したいと考えています。
瀬下 陽翔 4年 (北海道別海高校 出身)
【研究テーマ】バイオガスプラントや暑熱対策等、施設関係に興味があるため、卒論でも暑熱対策などについて調べていきたいと考えています。
【関連】
◇循環農学類 石川志保 准教授(農業施設学研究室)
https://www.rakuno.ac.jp/archives/teacher/21026.html
※2026年度より農環境情報学類に所属予定
◇農環境情報学類(2026年4月開設予定・設置申請中)
https://shingakunet.com/school/SC000559/rakuno/special/