本学食と健康学類の亀田くるみさんが世界初となるホエイ酒の製品化に取り組んでいます
Date:2021.01.20
本学 食と健康学類 応用微生物学研究室4年の亀田くるみさん(指導教員:山口昭弘教授)が、ホエイ酒の製品化へ向けて研究を進めています。NEWS NO.34(2020年度)本学食と健康学類の亀田くるみさんが世界初となるホエイ酒の製品化に取り組んでいます

ホエイ酒を持つ亀田くるみさん
亀田くるみさん(食と健康学類4年)のコメント

亀田くるみさん(食と健康学類4年)
亀田くるみさん
(北海道千歳高校出身) 私自身、お酒が好きで興味があったことと、千歳市の実家が酪農業を営んでいて牛を900頭ほど飼育していることもあり、乳製品の加工の際に出るホエイを活用したお酒を考えました。牛乳酒については研究室で卒業論文に取り組んだ先輩がいたので、まだ前例がないホエイ酒について卒業論文のテーマに設定しました。 実験に使用したホエイと生乳は、実家の苦楽園亀田牧場と本学乳製品製造学研究室から提供いただきました。生乳から分離した酵母をスターターとして用いてホエイ酒を試作しました。 実験開始当初は、ホエイに含まれるラクトースを糖原とすることで発酵実験を進めましたが、なかなか適切な酵母が見つからず発酵が上手くいきませんでした。さらにそのため、グルコースを入れて色々な酵母を選び、何度も発酵を試して色や香りなどの比較を行いました。定期的に糖度やアルコール度数を計測して経日の変化を調べました。現在は、麹や乳酸菌を合わせては発酵条件を検討しています。 また、いままで老廃物と考えられていた細胞外小胞体(Extracellular Vesicles; EV)が、細胞間コミュニケーションに関与していることが最近の研究でわかってきているので、アルコール発酵によってEVがどのような挙動(粒子数・粒度分布)をしているかも調べることにしました。EVについては、研究室でも大きな可能性を秘めた新しい素材として注目しています。私たちの研究室での研究成果として、学内の植物由来材料や北海道産食材などから独自に分離培養・同定した乳酸菌由来のEVが2020年11月にコスモ・バイオ株式会社から販売開始となりました。 ホエイ酒は見た目もにごり酒に近いことから、もともと研究室がお世話になっていた田中酒造さんに製品化のアイディアを提案させていただきました。今回の卒業論文でまとめたデータは、田中酒造さんで商品化される際に参考としていただきます。田中酒造の杜氏さんにも試験醸造したホエイ酒を唎酒してもらって発酵に関するアドバイスをいただきました。また、商品化された際にボトルに貼るラベルは、私が中学校時代に描いた牛の絵を用いる予定になっていて、製品となって手にするのが今からとても楽しみです。 卒業後は香料の研究開発を行う大阪の会社に就職する予定です。乳に関する研究開発も行っている会社のため、卒業論文として取り組んだホエイに関する研究が役立つこともあるのではないかと考えています。
実験室での実験の様子

WEB会議システムでの卒論発表

WEB会議システムでの卒論発表

発表を終えて
関連企業リンク ◇田中酒造株式会社 https://tanakashuzo.com/ ◇コスモ・バイオ株式会社 https://www.cosmobio.co.jp/ 【参考】関連記事 ◆2020.10.19 本学ワインサークル“ROWP”が今年度のブドウの収穫を実施 https://www.rakuno.ac.jp/archives/11648.html ◆2020.06.09 世界初! 赤ビートワインを学内の野生酵母を使って製品化に成功! https://www.rakuno.ac.jp/archives/10185.html