本学大学院生の北野菜奈さんが酪農学研究科博士課程で初めての早期修了

Date:2021.03.24

NEWS NO.44(2020年度)

本学大学院生の北野菜奈さんが酪農学研究科博士課程で初めての早期修了

2021年3月18日(木)に2020年度学位記授与式が行われ、酪農学研究科食生産利用科学専攻博士課程の北野菜奈さん(指導教員:髙橋俊彦教授)が酪農学研究科では初めての早期修了となり、総代として堂地修学長より学位記を授与されました。 酪農学研究科博士課程の在籍期間は3年間と規定されていますが、特に優れた研究業績を上げた者については、大学院に2年以上在学すれば足りるものとされています。北野さんは、在籍中に一定要件を満たす論文を有し、早期修了資格審査委員会において審議されて認められたことから、晴れて早期修了となりました。

酪農学研究科博士課程を早期修了した北野菜奈さん


北野菜奈さんのコメント

大学院酪農学研究科 食生産利用科学専攻 博士課程
北野菜奈さん
 (札幌第一高校出身)   博士課程の学位論文のタイトルは「抗生物質の適正使用を目的とした日本型選択的乾乳時治療法の構築」で、日本の酪農現場で多用されている抗生物質の適正使用の基準を模索しました。抗生物質が本当に必要なウシや疾病に対して使用するための基礎的な実験を行い、一定の基準を示すことができました。 ただ、修士課程は「ウシの搾乳衛生における前搾り量の定量化と搾乳前乳房内の生体防御反応について」、そして、卒業論文は「北海道の公共放牧場における消化管内線虫の浸潤状況と一公共放牧場の駆虫効果」がテーマでしたので、一貫したテーマで研究を続けていたわけではありません。「ウシや乳房」という共通項はありましたが、「ウシのことがすべてわかるようになりたい」「現場に貢献できる研究をしたい」という一心で、興味を持ったさまざまなテーマの研究に打ち込みました。この思いや興味を受け止めてくれた髙橋先生と大学の環境があってこそ研究を続けることができたと思います。本当に感謝しています。もともと学ぶことが好きであったため、研究することを楽しむことができました。最後の一年は研究に打ち込み先生から指導いただける時間を多く確保できたというプラスの面も大きかったと思っています。 修了後は、共立製薬株式会社に就職し、今までの経験をしっかりと生かしていきたいと思います。まだまだ大学院生として研究を楽しみたかったですが、長年ご指導いただいた髙橋先生が今年度をもって定年退職されるため、先生と一緒に“卒業”できることはうれしく思います。

指導教員の髙橋俊彦教授のコメント

長年にわたりここまで研究を進めて成果を出し続けることができたのは、北野さんの「探求心」がとても強かったことが大きな理由と考えます。研究を進めるうえでわからないことがあると、自分自身が納得するまで次に進まず、突き詰めて考え抜いて理解して答えを見つけるという性格は、研究を進めるうえで力になったと感じています。その姿は後輩たちにとってもよい手本でもあり、面倒見の良い先輩として研究室に欠かせない存在でした。 修了後は「学術」という職種での勤務となりますが、営業のサポートや顧客となる臨床獣医師やクライアントなどに対して学術情報を提供・指導することが求められます。そのため、今後も継続して学び続けなければならないと思いますが、北野さんには誰にも負けない強い「探求心」がありますし、研究を進めるうえで現場にも数多く足を運んでいたので全く心配はしていません。これからも、大いに活躍してくれることを期待しています。

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