獣医学類6年の新谷友康さんが日本獣医学会学術集会優秀発表賞を受賞

Date:2022.12.22

NEWS No.53(2022年度)
獣医学類6年の新谷友康さんが日本獣医学会学術集会優秀発表賞を受賞

9月6日(火)から8日(木)にかけてWeb開催された「第165回日本獣医学会学術集会」において、本学獣医学群獣医学類6年の新谷友康さん(ハードヘルス学ユニット)が優秀発表賞を受賞しました。

<受賞演題>
「血中非エステル型脂肪酸の高および低濃度牛における移行期の脂質代謝プロファイルの比較」

<研究概要>
乳牛では乾乳期に低エネルギーに陥ると体脂肪由来の非エステル型脂肪酸(NEFA)が血中に上昇してきます。乾乳期に血中NEFA濃度が高い牛ほど、分娩後の疾病リスクが上昇することが報告されています。乾乳期におけるこのような変化はある種の脂質代謝異常と見なされることからその病態を把握することが疾病予防対策を講じる上で重要と考えられます。しかし、乾乳期のNEFA濃度の違いが分娩後の脂質代謝異常にどのように関連しているかは不明でした。そこで、本研究では乾乳期において血中NEFA濃度が高い牛と低い牛の脂質動態にそれぞれどのような違いがみられるかに関して、その詳細をリポタンパク質レベルで評価しました。この成果は、乳牛における周産期疾病の発生メカニズムの解明に有益な情報を提供することが期待されます。

新谷 友康さんのコメント

この度は、名誉ある賞を頂き大変光栄に感じております。ご指導してくださった及川先生、福森先生、千里先生に心から感謝申し上げます。また、この研究は僕だけでなく共に活動した研究室のメンバーと築き上げたものだと考えております。この場をお借りして、研究室のメンバーにも深く感謝申し上げます。今後も学問の発展に貢献できるよう、日々研鑽を積んでまいります。

 

及川 伸 教授からのコメント

乳牛の代謝疾病は、酪農産業において大きな経済的損害をもたらすため、我々の研究室では疫学的な手法によるリスク分析調査から体内での発症機序の解明に至るまで様々な取り組みを行っています。新谷君は、超遠心分離法を用いたリポタンパクの分析によって、代謝異常を呈する牛の詳細な病態解明を試みました。リポタンパク分析は時間と労力をかなり必要とする方法ですが、持ち前の粘り強さで発表までまとめ上げることができました。今回、このような努力が報われる結果になり大変嬉しく思います。

 

千里 今日子 助手(新谷さんの指導担当)のコメント

膨大な数の検体数からリポ蛋白の分離し、その分析を根気強く行ってくれました。教室のメンバーと協力し合いながら、楽しそうに研究していたことが強く印象に残っています。
今後本研究が乳牛の周産期疾病低減の一助となれるよう、これからも学生とともに研究・指導に尽力したいと思います。

 

左から、及川 伸 教授、新谷 友康さん、福森 理加 准教授

 


【参考】
教員・研究室一覧
◆及川 伸 教授(ハードヘルス学ユニット)
https://www.rakuno.ac.jp/archives/teacher/9406.html

◆福森 理加 准教授(ハードヘルス学ユニット)
https://www.rakuno.ac.jp/archives/teacher/9454.html

◆千里 今日子 助手(予防獣医学分野)
http://souran.rakuno.ac.jp/profile/ja.a29eaffc650e814197be11db77138368.html