循環農学類畜産衛生学研究室から2名が「第8回乳房炎サマーキャンプ」で優秀賞を受賞

Date:2024.10.09

NEWS NO.33(2024年度)
循環農学類畜産衛生学研究室から2名が「第8回乳房炎サマーキャンプ」で優秀賞を受賞

9月1日~2日に、宮城県遠刈田温泉で開催された「第8回乳房炎サマーキャンプ」において、循環農学類畜産衛生学研究室から4年の渡辺雄大さんと大学院修士課程1年の三矢あゆ香さん(指導教員:菊佳男教授)が各部門で優秀賞を受賞しました。
同会は、乳房炎教育懇話会の主催によるもので、学生への乳房炎研究の理解と将来の乳房炎研究者ならびに産業動物獣医師の後継者を育成する目的で毎年開催されています。 麻布大学、東北大学、広島大学、北海道大学、酪農学園大学獣医学類・循環農学類などの研究機関や製薬会社の参加にて実施され、今回は64名の参加がありました。

左から渡辺さん、菊教授、三矢さん

「第8回乳房炎サマーキャンプ」
ポスター発表の部 優秀賞

演題:外部乳頭シール剤を用いた選択的乾乳期治療の検討
渡辺 雄大さん(4年)

【研究概要】
この研究は、乳牛の乾乳期に外部乳頭シール剤を装着することで乳房炎を予防することができるか調査しました。通常は、乾乳時にすべての乳房に抗菌薬を使用して乳房炎を治療あるいは予防する方法(BDCT)が一般的ですが、諸外国では薬剤耐性問題から治療が必要な乳房だけに抗菌薬を使う方法(SDCT)が普及しています。私たちは、外部乳頭シール剤が乾乳期間中の乳房炎予防効果を有するか11頭の健康な牛を用いて、BDCTとSDCTに群分けすることで調べました。乾乳時に、BDCT群では抗菌薬を注入し、SDCT群では外部乳頭シール剤を装着しました。その結果、外部乳頭シール剤だけでは乳房炎予防効果は十分でなく、他の方法と組み合わせて実施する必要があることが考えられました。

【受賞の感想】
名誉ある賞をいただき、大変光栄に思います。菊先生や先輩方のご指導のおかげであると、心から感謝しております。春から大学院に進学しますので、さらなる研鑽を積み、乳房炎を減少させ、酪農現場の発展に寄与するために、引き続き努力していきます。

ポスター発表の部 優秀賞 渡辺雄大さん(4年)


「第8回乳房炎サマーキャンプ」
口頭発表の部 優秀賞

演題:パルス核磁気共鳴(NMR)を用いた早期乳房炎予測の有用性の検討
三矢 あゆ香さん(大学院修士課程1年)

【研究概要】
牛の乳房炎は菌が増殖して病的状態にならないと検知ができないとされてきました。そのような中、黄色ブドウ球菌を実験的に感染させた乳房炎において、パルス核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance)を利用することで炎症症状の指標である体細胞数の上昇以前に検知可能となることが示されました。本研究では、実際の酪農場においても当該機器が乳房炎早期検知に有用性を示すか検討を行いました。結果としては、測定値の変化の程度は個体や分房によって様々であったことから、菌種、菌数、菌の増殖スピード等によって変動することが推察されましたが、実農場においても乳房炎の予兆検知に有用となる可能性が示されました。

【受賞の感想】
このような賞をいただくことができ大変光栄に思っています。菊先生の手厚いご指導をはじめ、畜産衛生学ゼミ生や農場の皆様、試験対象牛のご協力があってこその賞であると思います。改めて心から感謝申し上げます。今後も頂いた賞に恥じぬよう一所懸命頑張ります。

【口頭発表の部 優秀賞】 賞状を手にしたあゆ香さん(大学院M1)と菊教授


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【教員・研究室一覧】
◆菊  佳男教授(循環農学類 畜産衛生学)
 https://www.rakuno.ac.jp/archives/teacher/14498.html