北海道科学大学×酪農学園大学 共同開発アイスクリーム「ミルクの子あいすmilko」発表会が行われました。

Date:2024.12.17

NEWS No.52(2024年度)
北海道科学大学×酪農学園大学 包括連携協定事業
共同開発アイスクリーム「ミルクの子あいすmilko」発表会が行われました。

 

2024年12月16日(月)、酪農学園ホールにおいて、北海道科学大学と酪農学園大学が共同開発したアイスクリーム「ミルクの子あいすmilko」の新商品発表会が行われました。

 

この取り組みは、北海道科学大学と酪農学園大学の包括連携協定事業の一環として、これまで生産から加工までを学生教育の一環として行ってきた酪農学園大学と、北海道科学大学メディアデザイン学科の学生によるデザインスキルを掛け合わせ、生乳の生産とアイスクリームの製造を酪農学園大学が、商品名やパッケージデザインを北海道科学大学が担い、北海道科学大学の学生が酪農学園大学の生産・製造の現地視察やミーティングを重ね、新商品の開発となりました。

 

それぞれの担当者より、開発の経緯や、生産・製造・デザイン・ネーミングについて説明がされました。

生産説明(酪農学園大学 循環農学類4年 佐々木凜也さん)

この生乳は学生と牛が一緒に作り上げた努力の結晶です。
牛舎では朝夕の搾乳作業を学生が担当しており、一頭一頭の牛たちに丁寧に向き合い、子牛の哺乳も愛情をこめて給与、学生たちが自ら牛たちの世話をすることにより、生産現場を理解し、日々学びを深めています。
また、酪農学園大学の牛たちの健康を支える飼料は大学で採れたものを給与しており、排泄される糞尿は堆肥となって土壌に還元され、また新たな飼料へと循環していくことを目標としています。この循環農法を掲げて環境に配慮した持続可能な農業を実践し、酪農学園大学はより品質の高い生乳を生産しています。

 

製造説明(酪農学園大学 食と健康学類4年 中島暖太さん)

私たち乳科学研究室の製造・加工・レシピをメインで担当しました。今回開発した「milko」はレシピとしては毎年私たち酪農学園大学の大学祭で何種類かのアイスを出していますが、そのなかでもクリームチーズが特に人気があるので、それをベースに「milko」の開発を進めました。更にはフレーバーに頼らずクリームチーズ本来の風味を活かすため、クリームチーズをそのまま製造のなかで入れている形になっております。
後ほどの試食の際は、是非クリームチーズの味わいやアイス本来の味を楽しんでいただければなと思います。

 

パッケージデザイン・ネーミング説明(北海道科学大学 未来デザイン学部 メディアデザイン学科4年 東雲香凛さん)

パッケージデザイン・ネーミングの制作は、4月にこのプロジェクトに声をかけていただき、12月の完成まで約8か月を要しました。両大学で完成予定のアイスの共有、デザインの方向性について確認後、酪農学園大学の施設見学や取材、北海道科学大学でのアンケート実施後に商品名を決定し、それを元にデザインへ落とし込みました。酪農学園大学の施設見学で初めて見るもの、触れる知識にとても刺激を受けたのが印象的で、打ち合わせでは試食を行い、両大学でアイスに関するコンセプトやイメージ、味に関する印象なども細かく話し合うなかで、酪農学園大学の皆さんは誇りと愛をもってチーズ、牛乳・アイスを作られているのだと感じ取れ、そこからミルクの子どもであるアイスと言う意味合いで「ミルクの子あいすmilko」という商品の命名をしました。
6月には、決定した商品名からデザインをいくつか制作し、北海道科学大学デザイン学科の学生166名に4つのデザインに関するアンケートを行っています。アンケートは試食するアイスの味とパッケージのギャップをなるべく減らせるような項目を考えており、投票数が多いものではなく、アイスを製造する酪農学園大学とデザインを行う北海道科学大学の学生が考える理想の商品像に最も近い回答を吟味して2案まで厳選しました。
アンケートを行い、私の中で浮かんだ3つのイメージ「シリーズ化出来るようなデザイン、伸び伸びと青空で育った牛、酪農学園大学で作られたチーズとミルクを使用」をデザインに盛り込めるように再考したものを酪農学園大学へ提案しております。7月には酪農学園大学から提案したデザインで決定された連絡をいただき、微調整を重ねて本日完成報告となります。
最終的に完成したデザインですが、北海道の青空をイメージできるような空色と、その上に落としたミルクの牛の模様を模したデザインとしています。一目見ただけでミルクをイメージできるような、更にシリーズ化も考え、汎用性の高いデザインを採用しています。蓋の方は、空色の背景はそのまま統一させ、牛の模様をなくし、ミルクの主張を少し強く表現しています。雄大な土地で伸び伸びと育った牛から搾乳したミルクであるというメッセージを込めて作成しています。
最後に、このたびはこのような貴重な経験を北海道科学大学の学生にお声掛けいただきありがとうございます。1年間の長期的なプロジェクトにおいて、酪農学園大学の関係者様、北海道科学大学の関係者様をはじめ、デザインが商品として形になるまで私たちを支えてくださった皆様に深く感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 

最後に、両学長より挨拶が行われ発表会は終了となりました。

岩野 英知 学長(酪農学園大学)

 

 アイス新商品完成に関わった、酪農学園大学と北海道科学大学の学生の皆さん、おめでとうございます。
この「酪農学園大学の魅力発見プロジェクト」第1号としてアイスの開発に乗り出しました。こういった取り組みの中で学生たちが自ら色々なことを話合いながら、学科・大学を超えて1つのものをつくりあげるという、経験を得る学びがあることを改めて学ばせてもらいました。
昨今の酪農産業は一般のニュースでも酪農の戸数が1万戸を割れてどうしようかと騒がれております。そのような中でこのプロジェクトの様な夢のあるニュースを酪農学園大学の中からも発信出来ればと思います。そして学習者目線での教育と言われておりますが、今回のプロジェクトはまさしく学習者目線、学生が自ら学んで生きていくというところに、この取り組みの良さがあると思いました。
そして北海道科学大学の東雲さんは、パッケージデザイン制作の際、視覚的な目新しさだけではなく、酪農学園大学へ来て取材し、本学のことを理解したうえでデザインを作ってくれました。本当にありがとうございます。
北海道科学大学さんとは、2016年から研究者同士での連携が始まっていましたが、学生の連携取り組みが加わり、より一層連携を深めることが出来たと考えております。

 

川上 敬 学長(北海道科学大学)

 

ミルクの子あいす「milko」の完成おめでとうございます。そして酪農学園大学の皆さんには、このような機会を与えていただき誠にありがとうございます。
 改めて、大学という高等教育機関の社会における役割は何かについて、最近は産業をつくることや地域を活性化させるなど、地域のため、人々のために何かを為すということも、大学の役割として世の中から見られているのではないかと思っております。
 このような中で、北海道科学大学も酪農学園大学さんも、長い歴史の中で北海道という土地で頑張ってきた自負があります。我々が北海道をどうやって活性化させるか、あるいは、維持可能な地域としていくのかを考えた際、単一大学だけでは解決が困難な状況もあります。大学は1つの強みを深く掘り下げるのは得意ですので、組み合わせて連携させて相乗効果を発揮、周知を巻き込んでいくことで、真に我々が抱えている地域の課題を解決できるのではないかと思っています。
今回はアイスクリームを作ったということで、これがすぐに地域の課題解決にはつながらないかもしれませんが、連携の一歩が踏み出し動き出したことで、これからは何でも出来ると思っています。我々が持っていない専門領域があれば、追加で連携することも有ると思っています。そのようにして地域の課題を解決していきたいと考えています。
今回のアイス開発から第2弾、第3弾と継続して「この2大学ではこんなことも出来るのか」とびっくりしていただけるような連携を是非作っていきたいと考えていますので、皆様方にはご協力いただきたいと同時に、乞うご期待と思っていただければと思います。

 

発表後は出席者やマスコミの方と新商品アイスの実食とともに取材が行われました。

 

北海道科学大学×酪農学園大学 共同開発アイスクリーム「ミルクの子あいすmilko」は、12月17日(火)より、ローソン北海道科学大学店と酪農学園生協にて販売が開始されます。

 


【関連】

酪農学園大学
 栃原 孝志 准教授(農食環境学群 食と健康学類)
  https://www.rakuno.ac.jp/archives/teacher/9372.html
 菊 佳男 教授(農食環境学群 循環農学類)
  https://www.rakuno.ac.jp/archives/teacher/14498.html
 宮崎 早花 講師(農食環境学群 循環農学類)
  https://www.rakuno.ac.jp/archives/teacher/9339.html
北海道科学大学
  https://www.hus.ac.jp/
 趙 領逸 教授(未来デザイン学部 メディアデザイン学科)
  https://gyoseki.hus.ac.jp/hushp/KgApp/k03/resid/S001689