栃原 孝志

食と健康学類

栃原 孝志 とちはら たかし

准教授

研究室番号
C8-206

教員・研究室

取得学位 博士(農学)
研究室・ユニット名 乳科学
研究テーマ ・発酵乳製品の微生物叢および乳酸菌の機能解析と利用に関する研究
・生理活性物質を含む乳・乳製品の食品への利用可能性に関する研究
学びのキーワード 牛乳チーズヨーグルト乳酸菌生理活性物質食品開発
教育・研究への取り組み 乳製品製造学研究室ではチーズやヨーグルト製造に関わる特徴ある乳酸菌を探索するとともにそれら乳製品の品質特性を調べることで、より魅力ある乳製品の開発と乳酸菌の利用について研究しています。また、牛乳中の微量生理活性物質であるメラトニンの動態を通して牛乳の高付加価値化についても研究しています。
受験生へのメッセージ 広大なキャンパスと豊かな自然そして実践的な学びが本学の魅力です。食と健康学類は文字通り、食と健康に興味をもつ人なら楽しく学べる環境が揃っています。
受験生の皆さん、今年はコロナの影響で不安も大きいかと思いますが、全国から集まってくる将来の友人とともに「食」について一緒に学びましょう。
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研究室探訪

研究シーズ

研究キーワード 乳製品の健康効果 熟成と美味しさ 新規乳製品の開発
ナチュラルチーズ製造における種々工程の食品構造工学的定義付け
研究の概要・特徴

ナチュラルチーズ(以下、NC)の熟成では、製造初期におけるカゼインミセルの粗大化と、その後の熟成工程における酵素的分解でのタンパク質の低分子化によって、いわゆるうま味(遊離アミノ酸などによる)が生み出されます。NC熟成でのうま味生成には、原料乳の品質、使用道具、そして製造技術者の「腕前」が左右します。
チーズ製造工房においては、それぞれの技術者がいわゆる「職人の腕」という暗黙知で素晴らしいチーズを創り上げていますが、その「腕」という「知」を「文章化」したいと考えます。いわゆる科学的な定義付けです。
当研究室は、2019年度から、食と健康学類食品物性学研究室、北海道大学大学院工学研究院との共同研究によって、従来のNC製造プロセス(作り方)を再確認し、従来のNC製造法とは異なる製造技法を提案する乳製品製造学的な視点、これら試作品に対する食感・品質的評価をする食品物性学的視点、さらに試作品の超微細構造の解析による物質の結合状態・結晶構造追求という工学的な視点から、試行を繰り返しつつ、NC工程の一つ一つが持つ意味、および変化させたときのアウトプットのデータ蓄積をおこなっています。

産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

欧州と比較してNCの個人消費量がおよそ1/10である日本において、今後も右肩上がりの消費量増加が期待される。この消費量を増加させていたくためには、消費者の選択として何が重要かを考える必要がある。まず、最も重要視される品質について外国製高級チーズに決して劣らない。共同研究グループとしては、フランス産やイタリア産のいわゆる「本場感満載」のNCチーズに対抗可能なブランディングとストーリー性が重要と考えている。そこで我々が提案するのが「良質な生乳(酪農)」と「最新の微細構造解析技術(工学)」、「酪農 x(かける)工学で支える北海道工房チーズ」ブランドである。今後、この研究を進める中で多くの工房に協力頂き、北海道NCが世界初の技術(食品構造工学(見える化技術))を取り入れて、品質管理・製品開発・後継者育成に取り組んでいるとの情報を発信し、この研究が日本チーズブランドを構築する一助になるよう研究を進めてゆきたいと思っている。