本学大学院2年の三樹圭亮さんが、日本気象学会北海道支部の北海道支部発表賞を受賞

Date:2025.10.01

NEWS No.59(2025年度)

本学大学院2年の三樹圭亮さんが、日本気象学会北海道支部の北海道支部発表賞に選ばれました。

2025年7月24日(木)、寒地土木研究所を会場に開催された「令和7年度日本気象学会北海道支部第1回研究発表会」において、本学大学院酪農学研究科 酪農学専攻 修士課程2年の三樹圭亮さんが北海道支部発表賞を受賞しました。

環境共生学類在学中に降雪について卒業論文を執筆しており、今回の発表はその卒業論文をさらに深掘りする研究となっています。三樹さんは卒業後、1年間はご両親が営む酪農業に従事した後、気象についてもう一度学びたいという想いから、本学大学院へ進学することとなりました。

馬場賢治教授(気象・気候学研究室)と三樹圭亮さん(左)

<演題>

 Xバンド二重偏波レーダーを用いた石狩平野内陸部における降雪雲再発達過程の解析
三樹圭亮1,清水慎吾2,上田博3,馬場賢治1
(1:酪農学園大学大学院酪農学研究科, 2:防災科学技術研究所, 3:名古屋大学名誉教授)

<研究概要>

北海道札幌市や江別市は西高東低の冬型気圧の際に筋状雲が流れ込んでくることにより、霰が多く降ることがあります。雪の粒子は様々な種類がありますが、ぼたん雪(雪片)という粒子や霰の粒子に注目し、筋状雲において発達している部分に霰が発生していることを解析していくことを目的としました。海上で多くみられる霰の発生が、石狩平野のような内陸部でも発生したことに着眼し、主に雨を解析するレーダーであるXバンド二重偏波レーダー(X-MP)を用いて雲を解析していく方法をとりました。
これまでは海岸で見られていた霰が今回の研究によって内陸部でも発生していることがわかり、重たくまとまった降雪になる霰の発生状況を知ることにより、降雪による交通障害の対策や今後の防災に活用できることが望まれます。

<三樹さんからのコメント>

今回の受賞に至るまでには、卒業論文執筆の際よりもより深く解析していく必要があり、気象学は物理学の知識に基づき解析していくため、物理学を学びながらの研究を進めていくことが大変でした。また、プログラミング技術も必要となるので、その勉強も必要でした。学会での発表を通して、外部の先生方からアドバイスをいただくことができ、自分で実装していく中で上手くいった際は、学んだことが結果につながり良かったと思います。

<馬場教授からのコメント>

三樹さんは言われたことはしっかりやっていき、言われていないことも自分でしっかりやっていました。物理学の勉強を行い、知識を身につけ、自発的な学習を充分に行っていたので、特に心配することなく見守っていました。この賞をいただけることは、大変喜ばしく然るべき結果といえます。コミュニケーションも活発にとりながら研究を進めていき、今年5月末には国際学会へ参加しました。修了後は、技術職として全国的な気象予報に関する分野へ就職を予定しており、気候による交通障害対策および防災への対策が期待されます。

 


[関連]

馬場賢治 教授(気象・気候学研究室)https://www.rakuno.ac.jp/archives/teacher/9395.html

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 https://www.rakuno.ac.jp/archives/4768.html

◆日本気象学会北海道支部  
 https://www.metsoc-hokkaido.jp/