川端 庸平

食と健康学類

川端 庸平 かわばた ようへい

准教授

研究室番号
C8-201

教員・研究室

取得学位 博士(学術)
研究室・ユニット名 食品物理学
研究テーマ 分子ガストロノミーを志向した食品の物理学
学びのキーワード 食感改質食品レオロジー分子ガストロノミー食品加工食品の構造食品コロイド
教育・研究への取り組み 食品の構造や物性を物理化学的手法によって調べ、美味しさ、食感などとの関係の解明を目指しています。物理や化学といった知識が必要ですが、これまで学んでこなかった人でも楽しく身に着けることができるよう、学生の方々の立場にたって勉強・実験することを心掛けています。
受験生へのメッセージ 高校生の皆さん、自分で食事を作ったり、加工された食品について、どうしたら美味しくできるのか?何故こんな食感になるのか、などと思うことはありますか?物理や化学の力を使ってこの謎を解き明かす研究は、まだまだ沢山の課題が残されています。皆さんもこの研究に参加して、食品科学に新しい風を起こしませんか?
研究室探訪

研究シーズ

研究キーワード 食品コロイド化学 X線・中性子散乱 顕微ラマン
食品コロイドの構造と物性研究を基盤とした分子ガストロノミー
研究の概要・特徴

食品の美味しさは、水や油などが調和し、最適なサイズや構造形態で分散した結果、美味しさが決まります。
このような「食品コロイド化学」の観点から、食品内部の構造や食感を科学する分野が「分子ガストロノミー」です。
X線・中性子散乱法、顕微ラマン法を用いてnm~μmスケールの構造を観察し、熱測定やレオロジー・トライポロジー測定と併せて食品の美味しさやテクスチャーを決める要因の解明を目標としています。
これらの手法は食品を非破壊・非接触で調べることが可能であり、加温や攪拌などの調理製造過程での内部構造の変化を追跡できることが特徴です。この特徴を活かし、
・生チョコレートの食感改質の研究
・チョコレート内の油脂結晶分布に対する調温効果
・ココアの食感と安定性
・イタリアンメレンゲの加熱による泡安定性と食感
・植物性ホイップクリームの食感と界面構造
を主なテーマとして、物理化学的視点から食品製造に関する課題を解き明かすことを目指しています。

マーガリンのラマンイメージ マーガリンのラマンイメージ
ゴーダチーズのラマンイメージ ゴーダチーズのラマンイメージ
ヨーグルトのラマンイメージ ヨーグルトのラマンイメージ
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

X線や中性子散乱、顕微ラマンは食品内部の構造を“生の状態”で観測可能で、極めて有効な手法です。多成分で構成される食品内部の構造を染色などをせずに観察できることが大きなメリットになります。
一方、熱測定やレオロジー・トライポロジー測定による食品物性を調べる手法も併用します。水分を多く含む食品の水の凝固/融解熱測定により自由水・拘束水の割合を決定できます。レオロジー・トライポロジー測定では、食品粘度や弾性率、摩擦係数などの物性値を求め、食品の食感を定量化することができます。