大田  寛

獣医学類

大田  寛 おおた ひろし

准教授

研究室番号
動物医療センター 310

教員・研究室

研究室・ユニット名 伴侶動物内科学
研究テーマ 伴侶動物の内科疾患の病態解明と新規診断法・治療法の開発
学びのキーワード 消化器神経画像診断炎症性疾患
教育・研究への取り組み 私の専門は伴侶動物(主に犬や猫のことです)内科学の教育、診療、研究です。伴侶動物内科学のカバーする範囲は非常に広いですが、内科学全般の診察に加え、特に胃腸の病気の診断と治療に力を入れています。病気の適切な診断や治療のためには、病気の原因を明らかにする事が不可欠です。胃腸の病気に関しては、日々の診療活動に加えて、病気の原因を明らかにするための研究活動も行っています。
受験生へのメッセージ 伴侶動物医療は日々進歩しており、本学附属の動物医療センターの果たす役割もより大きくなってきています。豊かな自然環境に恵まれたキャンパスで、伴侶動物医療の更なる発展のためにともに学んでいきましょう。

研究シーズ

研究キーワード 消化器 内視鏡 炎症と腫瘍
犬の慢性腸炎からリンパ腫への進展に関する研究
研究の概要・特徴

犬の慢性腸症は持続性または再発性の消化器症状を呈する小腸の慢性炎症性疾患であり、小腸粘膜の障害による吸収不良により重度の栄養不良を生じる。慢性腸症の治療には低アレルギー食や低脂肪食などの食事療法、抗菌薬療法、ステロイド剤などの抗炎症療法が用いられており、それらの治療で症状のコントロールが可能なことも少なくない。一方で、治療への反応性の悪い難治性症例もしばしば存在し、その一部の症例では消化器型リンパ腫という腫瘍性疾患の発症が認められる。その背景として、小腸粘膜における炎症の持続から、一部のリンパ球が腫瘍化することでリンパ腫を発症するという、「炎症から腫瘍への進展」の可能性が示唆されている。この仮説を検証するために、犬の慢性腸炎ならびに消化器型リンパ腫症例の内視鏡粘膜生検組織を用いて、網羅的な遺伝子発現解析の手法を用いて病態解析を行っている。具体的には、腸炎症例とリンパ腫症例の腸粘膜におけるDNAメチル化を網羅的に解析することでリンパ腫発症の原因の一端を明らかにしようとしている。

産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

私は伴侶動物(犬および猫)の消化器疾患、特に消化管疾患の診断ならびに治療に長年携わってきた。そして、犬の消化器疾患の病態解明に関する研究を行ってきている。また、消化管疾患の治療においては、食事療法が大きな役割を果たしており、栄養学的な治療アプローチも大変重要である。私は伴侶動物医療分野におけるフードの開発にも強く興味を持っているため、研究開発の協力者を歓迎しております。