中谷 暢丈

環境共生学類

中谷 暢丈 なかたに のぶたけ

教授

研究室番号
B4-402

教員・研究室

取得学位 博士(学術)
研究室・ユニット名 水質化学
研究テーマ 水環境での物質循環過程や人為的汚濁・汚染を化学的に解析評価
学びのキーワード 環境観測・計測生命環境環境汚染(水質・大気)化学
教育・研究への取り組み 河川や湖沼等の水圏環境の保全を目指し,化学的手法による水質モニタリング,底生生物を主体とする生物学的モニタリングを主体としたフィールド観測を行っています。さらに,分析化学的手法を用いた環境モニタリングの新規開発,機能性素材を用いた水質浄化方法に関する研究も展開しています。また,水に関する環境教育や身近にあるものを題材とした理科教育を通じて,市民や子供の理科や化学への興味や関心を高める活動にも取り組んでいます。
受験生へのメッセージ 人間社会が豊かになる一方で、自然環境は急激に本来の姿を失いつつあります。研究室でのフィールドワークを通じて、今自分達が何をすべきかを考え、実践することができます。自然環境の現状を間近に知り、皆さんの将来にも関わる自然環境のあり方について、一緒に考えてみませんか。大学、ひいては社会の中で活躍するために、何事にもチャレンジする意欲と行動力のある学生さんが入学されることを期待しています。
研究室探訪

研究シーズ

研究キーワード 分離分析 陽イオン 陰イオン
イオンクロマトグラフィーによる無機イオン成分の一斉分析
研究の概要・特徴

イオンクロマトグラフィーはイオン成分の分離分析法として有効であり、これまで環境水や排水処理工程の水質管理等において、JIS等の各種公定法として国内外で広く使用されている。通常、イオン交換型カラムを用いた場合、陰イオンと陽イオンは別々のカラムとシステムで測定する必要があった。本研究では、弱酸性陽イオン交換型カラムと弱酸性の溶離液を用いることで、陽イオン及び陰イオンを同時に分離分析することを可能とした。また、この分離分析システムにポストカラム誘導体化法と吸光検出器を組み込むことで、さらにリン酸とケイ酸を含めた分離測定を可能とした。さらに、導電率検出器では検出が難しいとされるケイ酸、ホウ酸、炭酸について、先述と同じカラムと水‐アセトニトリルの溶離液とを組み合わせ、さらに荷電化粒子検出器を用いることで同時分離検出を可能とした。これらの方法は、水道水や温泉水等の水質モニタリング法として期待できる。

産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

これまで陰および陽イオンは別々に測定することが当たり前でしたが、本法では同時に分離分析ができるため、極少量の試料であっても無駄なく一度に測定が可能であるとともに、分析コストを下げることができます。水処理の工程管理に加え、酸性雨や富栄養に関わる成分の一斉分析などへの応用が期待されます。