中平 賢吾

循環農学類

中平 賢吾 なかひら けんご

准教授

研究室番号
C2-308

教員・研究室

取得学位 博士(農学)
研究室・ユニット名 農業昆虫学
研究テーマ 天敵利用などの農業昆虫に関する研究
学びのキーワード 持続可能な農業昆虫害虫農学農薬技術普及
教育・研究への取り組み 総合的なアプローチによる農業害虫の防除体系の確立を目的とし、農業害虫とその天敵の生態(生活史や行動など)を解明しています。これらの研究を通して、実際の農業における新規害虫防除技術を考案し、実践することで持続可能な農業の発展に貢献しようとしています。
受験生へのメッセージ 農業昆虫学研究室では、メンバーみんなが互いの意思を尊重しようと心がけています。教員は指示ばかりするのではなく、学生が自発的に勉強と研究に取り組めるように配慮しています。この自由に見える環境の中で、本当の学びとは何かを理解してみませんか。
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研究シーズ

研究キーワード 天敵昆虫 農業害虫防除 生物的防除
天敵昆虫を用いた農業害虫の新規防除法の確立
研究の概要・特徴

天敵昆虫を用いた農業害虫の防除法は、農業現場では単に「天敵利用」と呼ばれ、専門的には生物的防除と呼ばれている。この生物的防除は、殺虫剤に依存しすぎないという点で、重要な農業技術であり、今後、さらなる普及が見込まれる。生物的防除には、伝統的生物的防除(古典的生物的防除)と放飼増強法、保全生物的防除(土着天敵の保護利用)の3種がある。このうち、伝統的生物的防除は、侵入害虫に対して切り札的な害虫防除法となりうる。放飼増強法は、省力的な方法であり、害虫の殺虫剤に対する抵抗性発達を回避するために重要な方法であるとされている。保全生物的防除に関しては、室内で増殖した昆虫を野外に放たないという点で、生態系への悪影響が少なく、持続可能な方法であると言える。現在まで、これら3種の生物的防除技術の確立に関する研究に従事しており、今後も新たな天敵昆虫の探索や生態の解明、大量増殖法の確立、利用技術の開発などを行っていく予定である。特に北海道においては、生物的防除があまり普及しておらず、技術としてあまり発展していない。北海道における新規土着天敵の探索や生態の解明、他の地域で普及している生物的防除法を北海道に導入することなどによって、北海道における農業害虫の生物的防除技術の発展に貢献したい。

産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

伝統的生物的防除では、放飼後の天敵昆虫の分布状況を研究した経験がある。また、放飼増強法では、新規天敵昆虫の発見から実用化に至るまでの研究に従事した経験がある。保全生物的防除では、新規の方法を提案した経験がある。生物的防除に関する研究者は、全国に多くいるが、3種すべての生物的防除法の研究に従事した経験のある研究者はかなり少ない。北海道を中心とした全国でこれらの経験を活かし、活動していきたい。