泉  賢一

循環農学類

泉  賢一 いずみ けんいち

教授

研究室番号
フィールド教育研究センター棟
取得学位 博士(農学)
修士(農学)
研究室・ユニット名 ルミノロジー
研究キーワード ルーメン 乳牛 栄養・飼料

乳牛のルーメン環境を最適化する飼料給与システムに関する研究

研究の概要・特徴

当研究室では、酪農場を生産システムとして捉え、一頭の牛レベルのミクロな視点から、個々の牛が集合した群としての視点、粗飼料生産も含めたシステム全体を網羅するマクロな視点まで幅広いテーマで研究を行っています。

牛は4つの胃を持っていますが、特に第一胃(ルーメン)には牧草を牛乳や肉に作り変えるための秘密が隠されています。そこで、牛個体レベルの研究としては、亜急性ルーメンアシドーシス(SARA)を防ぎ、ルーメンを健康に保つ飼料給与法に関する研究を継続しています。筆者は、ルーメンマットが作られるメカニズムについて検討を重ねてきました。研究の中からわかってきたのは、副産物などの非繊維性炭水化物を多給した場合でも、イネ科牧草を適量混合すると、反芻を促すルーメンマットが作られることです。また、ルーメンマットの厚さと堅さの積は、反芻時間と相関があることも明らかにしました。ルーメンマット以外にも、近年では酪酸投与によってルーメン機能が強化されSARA予防につながる可能性があるという研究成果も得られています。

群レベルの研究として力を入れているのは、TMRの最適な調製および給与法に関する研究です。たとえば、TMRの給与回数と乳牛の採食行動の関連や、TMRの選択採食を防ぐための粗飼料切断長に関する研究などに取り組んできました。さらに、生菌剤や微量栄養素といった新規飼料を添加したTMRが乳牛の生産性や健康状態にどのような影響を及ぼすかといった、企業とのタイアップ研究も行っています。

産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

乳牛の乳量は年々増加し,栄養管理もより高度なものになっています。このような状況下で,健康的に高泌乳量の乳牛を飼養するためには,飼料の給与を通じてルーメン環境を維持することが重要になります。

当研究室が研究フィールドとしている、本学酪農生産ステーションでは、実規模の高泌乳牛群を有しており、生産性に関する様々な研究を実施してきました。また、当研究室では、ルーメンの健康という観点から乳牛を科学するために,ルーメンフィステル装着牛を用いた研究も継続しています。加えて、自給粗飼料の生産や給与を学ぶためのフィールドも備えています。

以上のように、本学では日本でも数少ない高能力で実規模の牛群を有しています。これらの牛群を用いた研究成果は、生産者や酪農業界へ有意義な成果を提供するものと考えています。