
取得学位 | 博士(獣医学) 獣医学修士 |
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研究室・ユニット名 | 生産動物医療学 |
研究キーワード | 大腸菌感染症の拡散 鳥インフルエンザと野鳥 |
病原体の空間的な拡散状況を明らかにする
研究の概要・特徴
1.病原体の地域内外への拡散状況を把握し、蔓延を防止することを目的に、病原性大腸菌を用いて分布状況を地域間で比較検討する。この結果から、病原体の拡散ルートを明らかにし疾病発生防止に寄与する。
2.鳥インフルエンザ発生防止は喫緊の課題で、ガンカモ類がウイルスを持っていることは知られている。しかし、秋に渡ってくるガンカモ類のうち、どの種類が、あるいはどの群がどのような病原性のウイルスをどのくらいの濃度で持っているのかは知られていない。一方、その飛来数が多いエリアでは野鳥の感染斃死数の増えることがわかっている。そこで、地域ごとのガンカモ類の飛来状況をもとに、野鳥での鳥インフルエンザ発生リスクを検討し、家禽飼育における感染防止対策のレベル設定に資することを目指す。
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)
発生頻度の高い大腸菌症ですが、発生群および地域ごとの菌の病原性を詳細に検討することによって、農場バイオセキュリティの弱点の把握につながり、より有効な対策を立てることができると考えています。
また、鳥インフルエンザですが、日本へのガンカモ類は地域によって飛来種が異なります。このことは地域による発生リスクの違いにつながるのではないかと予想しています。近年、冬季の防疫対策には極めて緊張を強いられています。得体の知れないものほど対峙するのに心労が募ります。野鳥の飛来状況を介してリスクを可視化することで適切な緊張感を持って対応することができることを目指します。