循環農学類では、「循環・健康・共生」をテーマに、人の生命を育む農畜産物の生産と、土地や水に代表される環境の関係を学びます。そしてこの学びを通じて、時代とともに変化していく「農学」を、永続性がありバランスの取れた「循環農学」として探求していきます。

「基盤教育」と「専門基礎教育」では、農業に関する科学的知識を広範に学び、社会における農業の意義を正しく理解するための素養を養います。「専門教育」では、酪農学コース、畜産学コース、農学コースおよび農業経済学コースに分かれて、専門知識や技術を学びます。
本学の理念である、現実課題を対象とした教育(=「実学教育」)によって、安全な食料の安定供給に寄与できる、幅広い知識と技術を習得した人材を養成します。

TOPICSトピックス

GREETINGごあいさつ

農食環境学群長
小糸 健太郎

酪農学園大学は、札幌市に隣接する江別市にあり、135haの広大なキャンパスを持っています。キャンパス内には、酪農牛舎、飼料草地、作物圃場および関連施設、食肉および乳製品加工場を併設しており、近隣には、様々な動植物も生息する広大な野幌森林公園があります。「農・食・環境」を学ぶのには大変恵まれた立地環境であると自負しております。
農食環境学群は、本学の建学の精神である「三愛主義」「健土健民」のもと、生物資源の循環・再生、食料の生産・加工及び流通・消費並びに食と健康、さらに農業を含めた環境に関する専門分野において、それらが有機的に関連するよう体系づけられた学群です。農学、食品科学、環境科学およびこれらの関連分野の教育・研究を通じて、フードシステムの持続的発展と自然環境の保全並びに農食文化の進展に貢献することを目的としています。この目的に合わせて、循環農学類、食と健康学類、環境共生学類の3学類を設置しています。
本学群の教育では、1年次で幅広い教養と社会人基礎力を育成するための科目を学びます。その中には「健土健民入門実習」のように、「農・食・環境」の学びを実習により体感できる科目があり、各分野で実践的に活躍するための基礎を培うことができます。そして、2年次には3分野に関連した専門基礎を学び、3年次からは、専門コースと研究室を選択し、専門教育を学ぶことになります。専門分野での学びは、教室での学習と連動した実験・実習・演習によって構成されています。実習教育は、学内だけではなく、北海道という広大なフィールドを活用して展開しており、「農・食・環境」に関する知識と実践力を段階的に身につけることができるような教育を受けることができます。
世界では、今もなお食料問題や気象変動などのさまざまな課題に直面しており、国連サミットにおいては持続可能でより良い社会の実現を目指す「SDGs」が掲げられています。このような社会情勢の中、「農・食・環境」の分野においても、さらなる技術革新と社会のシステムの構築が求められています。学生のみなさんが農食環境学群での教育を通じて培った知識と技術、判断力によって、社会の発展に貢献する人材となることを期待しています。ぜひ、私たちと酪農学園大学農食環境学群で一緒に学びましょう。

循環農学類長
日向 貴久

人間が日常生活を営む上で、食料は欠かせません。どれだけ人類の文明・文化が発展したとしても、私たちは食べ物なしでは命を繋ぐことができないのです。農業は、人間が自然に働きかけて効率的に食料を獲得する大事な産業であり、農業が地球上からなくなることはないでしょう。
循環農学類には酪農だけではなく、肉牛や豚、鶏、羊の畜産から、飼料作物、そして稲作や畑作、野菜や果樹の園芸作といった耕種農業に至るまで、国内農業一般のあらゆる部門に関する専門家がいて日夜研究を進めています。また、それらの研究成果を基に、生産に関する技術的な自然科学の側面や、流通、消費、経済といったフードチェーン全体での社会科学の側面など、多様な講義が行われています。それだけでなく、本学類では学んだことを実践する演習や実習の機会が展開されています。これは、135haもの広大な敷地を持ち、かつそれを十分に活かすことのできるスタッフがいる本学ならではの強みでもあります。座学での学びを実際にフィールドで試し、教科書通りにいくこととそうではないことを認識して初めて知識として自分の実になると、我々は考えています。
循環農学類はその名の通り、本学の創立者である黒澤酉蔵翁が唱えた「循環農法」とも関わり合いの強い学類となっています。1933年に設立された北海道酪農義塾の建学時の精神を、最も色濃く受け継ぐ学類の一つと言えるかもしれません。持続的な社会や持続的な農業の重要性が国際的に問われる中、特に自然環境にやさしい物質循環を目指した農業を構築することは、本学が以前から考えていた社会の一つの理想的なかたちであり、本学類には研究の蓄積が豊富にあります。食べ物は普段何気なく口にするものですが、本学に来れば、その大事さを見直し、社会や自然の持続に向けた農業とは何なのかを考えるきっかけになるものと確信しています。
近年、ChatGPTに代表されるように人工知能の研究が進み、近い将来は私たちの職業も一部が取って代わられるのではないかと言われています。ですが、私たちは「自ら学び、問題を解決する力」を持つことが出来ます。この力は、(現在の)機械には真似ができません。循環農学類の教員一同は、皆さんが「自ら学び、問題を解決する力」を得ることにコミットします。4月に本学の門をくぐった新入生が4年後、農や食を通じて社会に貢献できる人材として多く巣立っていく姿を我々は見てきました。
持続的な農業は、もう既に答えがあるものではなく、これから作り上げるべき大きな問題です。本学類の教員とともに、どうしていけばよいかを一緒に考えて、みんなで作り上げていきませんか?

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COURSE4つの専攻コース

酪農学コース

酪農学コース

乳を生産する家畜の飼養管理、家畜育種をはじめ、飼料生産、衛生管理、家畜行動、生産物利用などに関わる科学を修学するとともに、酪農場における物質循環について学びます。サブコースとして農家実習を通じて酪農現場をより深く理解する実践酪農学コースがあります。

畜産学コース

畜産学コース

肉牛を中心に豚、鶏、羊、馬など食肉生産を目的とした家畜の飼養、生体機能、生殖生理およびその生産物の利用について学びます。本コースにはこれらの家畜の飼養管理体系を学習する科目と実習があります。

農学コース

農学コース

循環農法を基盤として、水稲、野菜、花木などの農業生産技術とそれに伴う理論を学びます。本コースには作物の生産と、その関連分野(作物の栄養、生理、遺伝、雑草病害虫防除、土壌と生産の関連性)について学習する科目と実習があります。

農業経済学コース

農業経済学コース

食料生産と地域産業、市場と流通の現場から、経営・経済・政策を総合的に学びます。本コースには、農業経営、流通と消費、経済事情、循環型社会の形成と発展を支える仕組みについて学習する科目と実習があります。

学びの流れ

1年次

基盤教育

  • 酪農学園導入教育
  • 人文社会科学教育
  • 保健体育教育
  • 情報教育
  • キャリア教育
  • 自然科学教育
  • 外国語教育

専門基礎教育

  • 全学共通専門基礎領域

専門教育

  • 実践酪農学・実践農学

教職課程教育

  • B群
2年次

基盤教育

  • 人文社会科学教育
  • 自然科学教育
  • 外国語教育
  • キャリア教育

専門基礎教育

  • 基礎科学領域群
    (A群、B群)
  • 循環農学類専門基礎領域
    (A群、B群、C群)
  • 共通領域

専門教育

  • 教職コース専攻教育
  • 実践酪農学・実践農学

教職課程教育

  • A群
  • B群
3年次

基盤教育

  • 外国語教育
  • キャリア教育

専門基礎教育

  • 基礎科学領域群(B群)
  • 循環農学類専門基礎領域
    (B群、C群)
  • 共通領域
  • 全学共通専門基礎領域

専門教育

  • 専門共通教育
  • 酪農学コース専攻教育
  • 畜産学コース専攻教育
  • 農学コース専攻教育
  • 農業経済学コース専攻教育
  • 教職コース専攻教育
  • 実践酪農学・実践農学

教職課程教育

  • A群
  • B群
4年次

専門教育

  • 専門共通教育
  • 教職コース専攻教育
  • 循環農学類教育

教職課程教育

  • B群

FLOW履修科目の流れ

履修科目の流れ
教員・研究室一覧へのリンク

教職コース

農業の免許取得を前提としたカリキュラムと、一貫した教員養成プログラムにより、高度な実践的教育力を発揮できる人材を養成し、教員採用試験の合格を目指します。 ※「教職コース」の学生は、循環農学類、食と健康学類のいずれかの学類に所属します。

資格案内

取得可能資格
必要要件を満たせば卒業と同時に取得可能な資格です。
  • 中学校教諭1種(理科・社会)
  • 高等学校教諭1種(理科・農業・公民) ※教職コースに所属しなくても教員免許の取得は可能です。
  • 准学校心理士
  • 家畜(牛)人工授精師 ※講習会受講・最終試験合格の場合
  • 家畜体内(外)受精卵移植 ※講習会受講・最終試験合格の場合
任用資格
特定の職業に任用されるための資格。 資格を取得後、その職務に就いて初めて効力を発揮する資格です。
  • 食品衛生監視員
  • 食品衛生管理者
  • 飼料製造管理者
受験資格
必要要件を満たせば受験する資格が得られます。
  • ペット栄養管理士
学類でサポートする資格
  • 簿記検定(2級・3級)
  • 経済学検定(ERE)
  • 食生活アドバイザー(3級)
  • 北海道フードマイスター
  • 食の6次産業化プロデューサー(レベル1・2・3)
  • 食品衛生責任者
  • 学芸員 詳細はこちら