小千田圭吾

獣医学類

小千田圭吾 こせんだ けいご

助教

研究室番号
動物医療センター 209

教員・研究室

研究室・ユニット名 生産動物病態学
研究テーマ 牛の疾病の病態解析と生産性向上のための予防法の構築に関する研究
学びのキーワード 生産動物医療感染症免疫機能飼育管理病態解明
教育・研究への取り組み 動物の健康は様々な組織や臓器が正常に働く事で維持されており、そのどこかが破綻すると病気となって症状が現れます。各種検査を用いて患畜のどこにどんな異常があるのかをより的確に診断できるようになる事を目指して教育・研究に取り組んでいます。
受験生へのメッセージ 卒業後、様々な職域で活躍するために専門分野の基礎的な知識を得るのは当然の事です。加えて、その知識を現場での課題解決に応用できる力を身に付けてもらいたいと考えています。受験生の皆さん、ぜひ本学で一緒に頑張りましょう!

研究シーズ

研究キーワード ウシの感染症予防 粘膜免疫 粘膜型ワクチン
ウシ結膜関連リンパ組織の形態機能学的探索
研究の概要・特徴

感染症の予防方法として粘膜に直接抗原を接種する粘膜型ワクチンが注目されています。粘膜型ワクチンは、IgA産生を主体とした粘膜局所での免疫応答誘導により病原微生物の粘膜への侵入そのものを防ぐことができます。この粘膜局所でのIgA産生誘導を担うのが生体各粘膜に存在する粘膜関連リンパ組織です。私たちは、ウシの新たな粘膜型ワクチン接種部位として眼に着目し、ウシ結膜での粘膜関連リンパ組織(結膜関連リンパ組織:CALT)の組織学的構造と機能を研究しています。これまでの研究で、ウシが発達したCALTを持つこと、ウシCALTは各免疫細胞が規則正しく配置された構造を持つこと(図1,2)などを明らかにしてきました。これらの組織学的特徴からウシCALTが粘膜免疫誘導部位となる可能性が示唆されています。今後は、実際に点眼での抗原曝露により各粘膜でのIgA産生を引き起こすことができるかを実証することが課題となっています。

図1:ウシCALTにおけるB細胞の局在 図1:ウシCALTにおけるB細胞の局在
図2:ウシCALTにおけるT細胞の局在 図2:ウシCALTにおけるT細胞の局在
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

一つの粘膜への抗原曝露は別の粘膜での免疫応答も誘導できることが知られています。今後、結膜への抗原曝露により各粘膜でのIgA産生を誘導できることを実証すれば、結膜への接種で他の部位(例えば呼吸器や腸管など)の感染症を防ぐワクチンの開発に繋がる可能性があると考えています。結膜は他の粘膜と比べて外部からアプローチがしやすい部位であり、噴霧などによる新たなワクチン接種方法につながることが期待されます。噴霧でのワクチン接種が可能になれば、針も保定も不要なウシにもヒトにも優しいワクチン接種が可能になります。