伊丹 貴晴

獣医学類

伊丹 貴晴 いたみ たかはる

准教授

研究室番号
動物医療センター 211

教員・研究室

取得学位 獣医学博士
研究室・ユニット名 獣医麻酔学
研究テーマ 馬、犬、猫の麻酔・疼痛管理および犬猫の集中治療に関する研究
学びのキーワード 麻酔学伴侶動物医療生産動物医療
教育・研究への取り組み 獣医麻酔・集中治療学を担当しております。学生みんなに熱意を持って平等に、卒業してすぐに役立つ実践的教育をするよう心掛けています。研究は、アシドーシス、全身性炎症反応症候群、急性呼吸窮迫症候群といった重症動物の呼吸循環管理の治療戦略を模索しています。苦しんでいる動物達を救うため日々取り組んでいます。
受験生へのメッセージ 麻酔とは、外科や内科といった病気を治す診療科とは異なり、生体の生命反応(呼吸や循環など)をギリギリのところに落とし込み、維持することで、動物を肉体的・精神的な痛みから守る学問です。私達は40gから1,000kgまでの動物の麻酔管理を実施しています。高度な知識と技術を学びにぜひ酪農学園大学にいらしてください!お待ちしています!

研究シーズ

研究キーワード 麻酔 疼痛管理 集中治療
内毒素血症モデル豚における新規薬剤フザプラジブの呼吸循環機能
研究の概要・特徴

内毒素(Lipopolysaccharide; LPS)によって刺激された血管内皮細胞から放出されるメディエータは、好中球などの炎症性細胞からサイトカイン、蛋白分解酵素、および活性酸素種の産生によって生体の免疫反応を亢進し、急性呼吸窮迫症候群、血液分布異常性ショック、および敗血症性心筋障害を引き起こす。その結果、呼吸循環機能が破綻し、重要臓器が機能不全に陥り死に至る。
フザプラジブは炎症性細胞の表面に発現する接着分子(インテグリン)の活性化を阻害することで、炎症性細胞の血管内皮細胞への接着ならびに組織浸潤を阻害し、炎症の増悪化を抑えることを特徴とする新規薬剤である。フザプラジブは炎症カスケードを上流で抑制する薬剤であり、LPSによる内毒素血症の病態改善にも寄与できる可能性を秘めている。
本研究では、LPSにより誘発した内毒素血症モデル豚にフザプラジブを投与し、呼吸循環系機能および敗血症関連バイオマーカーの経時的変化を評価し、その治療改善効果を検討する。

内毒素血症モデル豚へのフザプラジブ投与 内毒素血症モデル豚へのフザプラジブ投与
フザプラジブの作用機序 フザプラジブの作用機序
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

LPS投与により作出した内毒素血症モデル豚に対して様々な治療を施し、①呼吸器系パラメータの評価、②循環動態パラメータの評価、③敗血症関連バイオマーカーの測定、および④心収縮能/拡張能の評価、を経時的に行い、治療改善効果を検討する。また、⑤実験終了後にCT検査によってARDS病態を可視化するとともに、⑥重要臓器の血管内皮細胞を採材してグリコカリックスを観察する。
敗血症に打ち勝つ治療を模索している企業様、お声がけください。