
取得学位 | 獣医学博士 |
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研究室・ユニット名 | 獣医麻酔学 |
研究キーワード | 麻酔 疼痛管理 集中治療 |
内毒素血症モデル豚における新規薬剤フザプラジブの呼吸循環機能
研究の概要・特徴
内毒素(Lipopolysaccharide; LPS)によって刺激された血管内皮細胞から放出されるメディエータは、好中球などの炎症性細胞からサイトカイン、蛋白分解酵素、および活性酸素種の産生によって生体の免疫反応を亢進し、急性呼吸窮迫症候群、血液分布異常性ショック、および敗血症性心筋障害を引き起こす。その結果、呼吸循環機能が破綻し、重要臓器が機能不全に陥り死に至る。
フザプラジブは炎症性細胞の表面に発現する接着分子(インテグリン)の活性化を阻害することで、炎症性細胞の血管内皮細胞への接着ならびに組織浸潤を阻害し、炎症の増悪化を抑えることを特徴とする新規薬剤である。フザプラジブは炎症カスケードを上流で抑制する薬剤であり、LPSによる内毒素血症の病態改善にも寄与できる可能性を秘めている。
本研究では、LPSにより誘発した内毒素血症モデル豚にフザプラジブを投与し、呼吸循環系機能および敗血症関連バイオマーカーの経時的変化を評価し、その治療改善効果を検討する。
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)
LPS投与により作出した内毒素血症モデル豚に対して様々な治療を施し、①呼吸器系パラメータの評価、②循環動態パラメータの評価、③敗血症関連バイオマーカーの測定、および④心収縮能/拡張能の評価、を経時的に行い、治療改善効果を検討する。また、⑤実験終了後にCT検査によってARDS病態を可視化するとともに、⑥重要臓器の血管内皮細胞を採材してグリコカリックスを観察する。
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