
取得学位 | 博士(獣医学) |
---|---|
研究室・ユニット名 | 獣医衛生学 |
研究キーワード | マイコプラズマ ウシ 免疫 |
ウシのマイコプラズマ感染症、アミノ酸がウシ乳房炎に及ぼす影響
研究の概要・特徴
酪農業は本学において建学以来から根幹として位置付けられてきた産業であるとともに、我が国の主要な基幹産業の1つでもある。酪農業での感染症による疾病は経済的損失のみならず、動物福祉の観点からも最小限にコントロールすることが重要な課題となっている。
酪農業において最も損失の大きい感染症である乳房炎や、子牛の肺炎は主に細菌によって引き起こされ、Mycoplasma bovis(M. bovis)はウシにこれらの疾病を招来する病原性細菌であり、重篤な場合、罹患牛が死に至ることもある。しかしながら、M. bovisの病原性は未だ充分に明らかにされておらず、効果的なワクチンも開発されていない。ウシの免疫応答に着目し分子生物学的手法、また、細菌学的なアプローチによりその病原性の解明を目指す。
「乳房炎」は泌乳牛において発生率が高く最も経済的損失の大きい感染症である。生乳の効率的生産ならびに動物の福祉に配慮した良質で安全な生産物のために、乳房炎の制御は重要であり、畜産学ならびに獣医学において効果的な対策技術の構築が求められている。乳汁中には常在細菌叢が形成されており、腸管と類似の免疫システムの制御が乳腺でも行われているものと考えられる。消化管において常在細菌叢の代謝産物であるアミノ酸が免疫担当細胞を活性化させることが知られている。しかし、アミノ酸が乳腺の感染に対する免疫システムといかに関与しているかは明らかとなっていない。乳腺におけるアミノ酸は乳腺腔内の免疫修飾能を持つかを明らかにすることを目指す。
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)
マイコプラズマ(Mycoplasma bovis)を使用した免疫機能解析や検出系の試験が可能です。
アミノ酸を利用した免疫機能の解析を実施することが可能です。