
取得学位 | 博士(獣医学) |
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研究室・ユニット名 | 獣医解剖学 |
研究キーワード | 骨格筋 線維化 ミトコンドリア |
酸化ストレスによる骨格筋の線維化のメカニズムの解明
研究の概要・特徴
虚血などの血行障害は骨格筋の線維化を促進して筋力の低下を起こし、そこには酸化ストレスからの一連のメカニズムが関与すると考えられています。私達はそのメカニズムを光学顕微鏡や電子顕微鏡観察による形態学的手法を主軸として詳細に解明し、予防医療に繋げるための基礎研究をしています。
現在は養鶏産業で問題となっている肉用鶏の胸肉の線維化の発症機序を解析し、飼料による予防方法の検討も並行して進めています。国外の研究者も多く取り組んでいるテーマですが、多くは遺伝子解析を中心としたものとなっています。私達は原因遺伝子の検索だけでなく、最新の電子顕微鏡観察により遺伝子の発現と微細構造の変化を同時に解析しており、これは極めて独自性の高いものとなっています。本研究のゴールは既存の飼養管理方法を変えずに線維化の発症を抑える新規飼料の開発です。そして、本研究で得た知見は他の動物の運動器疾患や加齢による筋力低下の予防方法の開発に展開していく予定です。
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)
安定的な鶏肉の品質を保証して日本産鶏肉のブランド力を高めることを目標にしています。私達が得意とする手法は他の動物の畜産品の解析や運動器疾患の研究にも応用が可能です。