植田 弘美

獣医学類

非公開: 植田 弘美 うえだ ひろみ

准教授

研究室番号
A4-101
取得学位 獣医学博士
獣医学修士
研究室・ユニット名 獣医解剖学
研究キーワード 甘草 肝臓 糖尿病

生薬(甘草)の作用効果と作用機序の解析

研究の概要・特徴

研究の概要:肝臓の機能亢進や脂質代謝促進などの作用を有する甘草は、種々の漢方薬に含まれ、良く知られた生薬の一つである。私は糖尿病モデル動物(ラット)を使用して、甘草の更なる作用効果や未だ解明されていない作用機序の解析を行っている。
研究の内容・特徴:更なる作用効果や作用機序を検証するため、催糖尿病作用を有するストレプトゾトシンを投与し実験的に糖尿病を誘発させたラットを用い、①甘草の予防的効果と②甘草の治療的効果の検証実験を行う(下記)。さらに、肝細胞の脂質代謝では、肝細胞中のミトコンドリアが重要な役割を担うことから、ミトコンドリアを詳細に検索することは、未だ知られていない甘草の作用機序を解明する一助になると思われる。そこで、①と②の検証実験後、肝細胞からミトコンドリアを単離して活性値を測定し、作用機序を解析する。
①予防的効果の検証実験:糖尿病罹患直後から甘草を添加した飼料を与え、糖尿病に伴い続発する肝臓の病態変化を解析する(画像①、②)。②治療的効果の検証実験:糖尿病罹患後脂肪肝を続発した糖尿病ラットに甘草添加の飼料を与え、脂肪肝の病態変化を解析する。さらに、脂肪肝から肝線維化への予防的効果の検証も行う(画像①、③)。

①糖尿病罹患後通常飼料のみで2か月間飼育。脂肪肝の様相 ①糖尿病罹患後通常飼料のみで2か月間飼育。脂肪肝の様相
②糖尿病罹患後甘草を添加の飼料で2か月間飼育。正常な肝臓 ②糖尿病罹患後甘草を添加の飼料で2か月間飼育。正常な肝臓
③脂肪肝併発後甘草を添加した飼料で2か月間飼育。正常肝臓 ③脂肪肝併発後甘草を添加した飼料で2か月間飼育。正常肝臓
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

甘草は種々の漢方薬に含まれよく知られた生薬の一つであり、様々な臨床現場で多用されている。しかし、甘草の作用効果や作用機序に関する基礎研究は少なく、また、甘草の更なる効果を検証する上でも貴重な基礎的データを提供するものと考える。