植田 弘美

獣医保健看護学類

植田 弘美 うえだ ひろみ

准教授

研究室番号
A4-101

教員・研究室

取得学位 獣医学博士
獣医学修士
研究テーマ 解剖学から解く生体・形態機能
学びのキーワード 解剖臨床解剖組織生命科学生体機能形態機能
教育・研究への取り組み 教育面では獣医学類に入学後、最初に学ぶ専門科目の獣医解剖学を担当しています。研究面では形態学的解析を通して、健康促進作用を持つ生薬の一種の甘草を用い、その効果と作用機序の検証を行っています。現在は基礎研究に取り組んでいますが、蓄積した研究成果を小動物臨床などに応用できればと考えています。
受験生へのメッセージ 解剖学の講義では、先ず骨学(骨格系)から始めます。骨を学ぶ目的は、成体という建築物の骨組みを理解することにあります。ウシやウマ、イヌなど色々な動物の様々な骨格標本を実際に手に取り、自身の眼で観察してみませんか。随所に動物種差もみられ、きっと興味を惹かれるでしょう。
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研究シーズ

研究キーワード 甘草 肝臓 糖尿病
生薬(甘草)の作用効果と作用機序の解析
研究の概要・特徴

研究の概要:肝臓の機能亢進や脂質代謝促進などの作用を有する甘草は、種々の漢方薬に含まれ、良く知られた生薬の一つである。私は糖尿病モデル動物(ラット)を使用して、甘草の更なる作用効果や未だ解明されていない作用機序の解析を行っている。
研究の内容・特徴:更なる作用効果や作用機序を検証するため、催糖尿病作用を有するストレプトゾトシンを投与し実験的に糖尿病を誘発させたラットを用い、①甘草の予防的効果と②甘草の治療的効果の検証実験を行う(下記)。さらに、肝細胞の脂質代謝では、肝細胞中のミトコンドリアが重要な役割を担うことから、ミトコンドリアを詳細に検索することは、未だ知られていない甘草の作用機序を解明する一助になると思われる。そこで、①と②の検証実験後、肝細胞からミトコンドリアを単離して活性値を測定し、作用機序を解析する。
①予防的効果の検証実験:糖尿病罹患直後から甘草を添加した飼料を与え、糖尿病に伴い続発する肝臓の病態変化を解析する(画像①、②)。②治療的効果の検証実験:糖尿病罹患後脂肪肝を続発した糖尿病ラットに甘草添加の飼料を与え、脂肪肝の病態変化を解析する。さらに、脂肪肝から肝線維化への予防的効果の検証も行う(画像①、③)。

①糖尿病罹患後通常飼料のみで2か月間飼育。脂肪肝の様相 ①糖尿病罹患後通常飼料のみで2か月間飼育。脂肪肝の様相
②糖尿病罹患後甘草を添加の飼料で2か月間飼育。正常な肝臓 ②糖尿病罹患後甘草を添加の飼料で2か月間飼育。正常な肝臓
③脂肪肝併発後甘草を添加した飼料で2か月間飼育。正常肝臓 ③脂肪肝併発後甘草を添加した飼料で2か月間飼育。正常肝臓
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

甘草は種々の漢方薬に含まれよく知られた生薬の一つであり、様々な臨床現場で多用されている。しかし、甘草の作用効果や作用機序に関する基礎研究は少なく、また、甘草の更なる効果を検証する上でも貴重な基礎的データを提供するものと考える。