
取得学位 | 博士(農学) |
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研究室・ユニット名 | 環境植物学 |
研究キーワード | アポミクシス 遺伝的多様性 外来種 |
アポミクシス性外来植物の分布拡大過程の解明
研究の概要・特徴
アポミクシス性の外来植物がどのように環境適応し、分布を拡大させてきたのかを、各地の植物個体群の遺伝子型分析から解明する研究をしています。アポミクシス(無融合生殖)は無性生殖の一つで、一見すると有性生殖と同じように開花・結実しているように見えますが、受精せずに自己と同じ遺伝子をもつクローン種子を形成するという繁殖様式です。クローンは遺伝的多様性が低く、環境の変化に弱いと考えられているにも関わらず、一部のアポミクシス性の外来植物は広範囲に定着できている、という矛盾を解明したいと考えています。
具体的には、セイヨウタンポポをはじめとしたアポミクシス性植物を各地で採取してSSR遺伝子型やISSR遺伝子型を調べ、クローン型の組成や類縁関係を調べ、分布拡大と遺伝子型が変異する過程を追跡しています。
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)
アポミクシスは効率的にクローン種子をつくる繁殖様式であり、作物への遺伝子導入なども研究されています。アポミクシス性植物の分布拡大と遺伝的変異の過程はこうした遺伝子導入を実用化するための基礎知見としても有用であると考えます。