小林  道

食と健康学類

小林  道 こばやし とおる

教授

研究室番号
C3-106
取得学位 博士(医学)
修士(臨床福祉学)
研究室・ユニット名 給食栄養管理
研究キーワード 公衆衛生学 栄養疫学 商品開発

食習慣と健康のエビデンスを地域の食に生かす

研究の概要・特徴

 食習慣と健康の関係は、明らかにされていないことが多くあります。私の研究テーマは、妊産婦・幼児・成人・高齢者などの様々なライフステージにおける栄養と健康の関連を明らかにし、よりよい食習慣の提案を目指すことです。
 これまでに、江別市及びむかわ町の住民を対象に、食習慣や生活習慣の調査を実施しました。図1は、江別市の調査において、持ち帰りの弁当や惣菜(以下、中食)の利用頻度と野菜の摂取量の関係を検討した結果です。この結果から、江別市の住民は、中食の利用頻度が高いほど、野菜摂取量が低い傾向にあることがわかりました。
 上記の研究結果をもとに、江別市内のパン製造・販売店及び農業生産法人、当研究室が連携し、野菜をとれるように工夫した総菜パンを考案しました(図2)。
 そのほか、陸上自衛隊栄養担当官の経験を生かし、災害食に応用できる商品のレシピ提供を行っています(図3)。

(図1)弁当や惣菜の利用頻度と野菜摂取量 (図1)弁当や惣菜の利用頻度と野菜摂取量
(図2)企業とゼミ学生とのコラボ商品開発 (図2)企業とゼミ学生とのコラボ商品開発
(図3)災害時の栄養に配慮した商品開発 (図3)災害時の栄養に配慮した商品開発
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

 人々が健康な食事を選択できるようにするために、外食や中食産業の協力は欠かせません。近年では、「健康な食事・食環境」認証制度(スマートミール)が注目されていることもあり、より健康に配慮した食事が求められる風潮になりつつあります。
 地域住民の調査から得られる知見は、主に自治体の施策に役立てられますが、産業界に波及させることも必要です。外食・中食産業は、住民に近い存在であるため、私は研究で得られた知見を地域の「食」に生かし、地域を盛り上げられるような取り組みを産業界と進めていくことを模索しています。また、当研究室の所属学生は、食に関するアイデアも豊富です。管理栄養士の卵とのコラボ企画は、企業だけでなく地域住民からも好意的に受け取られています。