小林  道

食と健康学類

小林  道 こばやし とおる

教授

研究室番号
C3-106

教員・研究室

取得学位 博士(医学)
修士(臨床福祉学)
研究室・ユニット名 給食栄養管理
研究テーマ 栄養および食習慣が人々の健康に与える影響を科学的に明らかにする
学びのキーワード 管理栄養士給食栄養管理食習慣栄養疫学食事調査
教育・研究への取り組み 給食栄養管理研究室では、集団を対象に調査を実施し、疫学的手法により栄養・食習慣と健康や疾患との関連性を明らかにする栄養疫学研究を進めています。管理栄養士が活躍するフィールドは、個人だけでなく集団を対象とする場合が多く、栄養疫学の方法論は栄養管理の基盤となります。当研究室では、これに関係した研究に取り組むことにより、論理的思考と豊かな実践力を備えた管理栄養士を育成することを目指しています。
受験生へのメッセージ 「食」は誰もが関わることから、人々の関心度が非常に高いため、テレビやネットでは食と健康に関する情報があふれています。しかし、その情報の信頼性を判断するためには、栄養を科学的に理解するための知識と技術が必要です。管理栄養士になるために学ぶ内容は、仕事に役立つだけでなく、自分の人生を豊かにするための一生の宝物になります。「土から血液」までを学べる本学で、皆さんにお会いできることを楽しみにしています。
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研究シーズ

研究キーワード 産後うつ 栄養疫学 商品開発
食習慣と健康のエビデンスを地域の食に生かす
研究の概要・特徴

現在の研究テーマは、妊娠期の食習慣と産後の精神的状態(産後うつ病)の関連を明らかにし、妊娠期のよりよい食習慣を提案
することです。これまでに、妊娠中の持ち帰りの弁当や総菜(中食)の利用頻度や夜間の間食頻度が高い人ほど、産後うつ病疑いのリスクが高いことを明らかにしました(図1と2)。
そのほか、江別市及びむかわ町の住民を対象に食習慣や生活習慣の調査を実施し、中食の利用頻度が高いほど、野菜摂取量が低い傾向にあることを明らかにしました。この研究結果から、コープさっぽろ様の協力を得て当研究室の学生が考案した「健康的な中食商品」を開発しました(図3)。食を通じて、地域の人々の健康をよりよくするための活動を学生と協力して進めています。

(図1)持ち帰りの弁当や惣菜の利用頻度と産後うつ病の関連 (図1)持ち帰りの弁当や惣菜の利用頻度と産後うつ病の関連
(図2)夜間の間食頻度と産後うつ病の関連 (図2)夜間の間食頻度と産後うつ病の関連
(図3)学生のアイデアを生かした商品開発 (図3)学生のアイデアを生かした商品開発
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

我が国では、産学官等連携による推進体制として、「健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブ」が2022年3月に立ち上がりました。人々が健康な食事を選択できるようにするために、外食や中食産業の協力は欠かせません。栄養疫学研究の知見は、自治体の施策に役立てられるだけでなく、産業界に波及させることも必要です。特に外食・中食産業は、住民に近い存在であるため、私は研究で得られた知見を地域の「食」に生かし、食を通じて人々が幸せになれる取り組みを産業界と進めていきたいと思っています。