薦田 優香

循環農学類

薦田 優香 こもだ ゆうか

教授

研究室番号
C2-212
取得学位 博士(農学)
Master of Science
研究室・ユニット名 植物病理学
研究キーワード 植物病 伝染メカニズムの解明 病害防除

植物ウイルスの感染メカニズム解明と防除法の開発を目指す

研究の概要・特徴

 新規作物種の導入や温暖化等の影響もあり、北海道では毎年様々な病害が発生し、被害が報告されています。病害による損失を最小限に抑えるためには、原因となる病原体の特徴や弱点を知り、防除法を随時更新していく必要があります。
 現在取り組んでいる研究テーマの一つに、ダイズ矮化病の原因ウイルス(SbDV)を対象にした研究があります。北海道のダイズ圃場に被害を出すSbDV系統は、ジャガイモヒゲナガアブラムシが唯一の媒介虫とされています(図1)。なぜ他のアブラムシ種による媒介が起こらないかは不明です。そこで、媒介の有無を決定する因子の特定を目指し、アブラムシ側およびウイルス側の両サイドから、逆遺伝学的・生化学的手法を用いた研究を進めています。
 本病害の防除は現在、殺虫剤による媒介虫の駆除に頼っており、今後、殺虫剤抵抗性アブラムシの出現や環境への負荷などが懸念されます。殺虫剤に頼らないダイズ矮化病対策を提案できるよう、SbDVが「媒介されない仕組み」の解明を目指しています。

産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

 植物に被害を出すウイルスの中には、あまり研究が進んでおらず、基本的な情報が不足するウイルスも多々あります。ウイルス病には直接効く農薬がないため、抵抗性品種の開発や媒介虫の防除など、複数の対策を準備しておくことが重要です。新たなウイルス病対策の開発につながるよう、共同研究や情報提供などを行っていきたいと考えています。