
教員・研究室
取得学位 | 博士(農学) |
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研究室・ユニット名 | 乳科学 |
研究テーマ | 発酵乳製品の微生物叢および乳酸菌の機能解析と利用に関する研究 |
学びのキーワード | 牛乳チーズヨーグルト乳酸菌食品開発食品機能 |
教育・研究への取り組み | 乳科学研究室ではチーズやヨーグルト製造に関わる特徴的な乳酸菌を探索するとともに、それらを使用した乳製品の品質特性を調べることで、より魅力ある乳製品の開発と乳酸菌の利用について研究しています。乳製品製造で生じるホエイなどの副産物の活用についても研究を進めています。 |
受験生へのメッセージ | みなさんは知的好奇心をお持ちですか?本学類での「食」と「健康」の学びには知的好奇心の種がたくさんつまっています。私自身本学の実践的な学びがきっかけで乳酸菌の違いにより様々なチーズが作られることに好奇心を持ち、乳酸菌研究の道へ進み、企業では機能性食品の研究開発という仕事につながりました。みなさまが知的好奇心の種を見つけ、育てるお手伝いをさせていただきます。 |
研究シーズ
研究キーワード | 乳製品 乳酸菌 ビフィズス菌 |
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乳酸菌やビフィズス菌を活用して乳製品の品質特性を向上させる
研究の概要・特徴
【乳酸菌に関する研究】
健康増進効果を付与するためにヨーグルトへ添加されるプロバイオティクス乳酸菌は保存中に生菌数が徐々に低下してしまう。研究では使用する乳酸菌のストレス耐性能を高めることで生残性を向上させて製品の保存性を高める検討を行っている。乳酸菌は熱や酸などのストレスに晒されるとそれらに対する防御機能が働き、ストレスに対する耐性が高まる。この現象を応用し、事前にストレスに晒した乳酸菌を用意することでヨーグルト中での生残性を高められるかを検討している。現在、ストレスの種類や程度について検討し、実際のヨーグルト製造で導入可能な方法を模索中である。
【ビフィズス菌に関する研究】
ビフィズス菌は宿主と相互作用して健康増進効果をもたらす有益な微生物である。しかしながら、健康機能性以外の面で乳製品の品質を向上させる知見はなく、ヨーグルト以外の乳製品にはほとんど利用されていない。乳製品製造におけるビフィズス菌の利用拡大を目指し、ビフィズス菌が製品の嗜好性や保存性などの品質に与える効果について研究している。現在、ナチュラルチーズにビフィズス菌を添加して品質に与える影響について検討している。
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)
ストレスの対する応答は様々な種類の乳酸菌で報告されている現象で、すでに製品として利用されているプロバイオティクス乳酸菌の強化にも寄与すると考えられる。ビフィズス菌を利用したナチュラルチーズ製品はプロバイオティクスの観点からも優れており、高い効果が期待される新たな機能性食品となる。また、欧州のチーズ作りでは伝統的な手法を重んじるため新たにビフィズス菌をチーズ製造に使用することに必ずしも積極的ではないため、独自性のある研究として発展していくと予測される。いずれの研究においても当研究室では、ラボレベルでのデータを取得後、本学の乳製品実験実習室を使用することでプラントレベルの実証試験を実施できるため、実用化を見据えた検討まで進めることができる。