浅倉 真吾

獣医学類

浅倉 真吾 あさくら しんご

講師

研究室番号
B2-105

教員・研究室

研究室・ユニット名 獣医疫学
研究テーマ 重要家畜・人獣共通感染症の効果的かつ受容可能な制圧方法の研究
教育・研究への取り組み 動物個体ではなく”集団”に注目し、病気の発生や原因、拡がりをデータに基づいて明らかにし、動物や社会全体の健康を守るための方策を考える「獣医疫学」の研究に取り組んでいます。JICAを通じて、発展途上国の獣医官の研修にも携わっています。
受験生へのメッセージ 大学入試共通テストに「情報Ⅰ」が導入されたように、現代社会において情報・データを活用する力はますます重要になっています。獣医疫学では統計学やシミュレーションなどを駆使して、動物と人、環境をつなぐ課題に取り組みます。
動物が好きな皆さんが、データに基づいて課題を理解し、解決に導く疫学の力も味方につけて、未来の課題解決に挑んでくれることを期待しています。大学でお会いできる日を楽しみにしています。

研究シーズ

研究キーワード 疫学 ワンヘルス 実地疫学
重要家畜・人獣共通感染症の効果的かつ受容可能な制圧方法の研究
研究の概要・特徴

私は獣医疫学を専門とし、動物およびヒトの感染症を対象に発生要因の解明と効果的な対策の検討を進めています。疫学とは、疾病の発生や拡大の背景にある要因をデータに基づいて明らかにし、科学的根拠に基づく対策や施策へとつなげる学問分野です。
研究の大きな柱の一つは家畜感染症のリスク要因解析です。乳牛におけるサルモネラ症などを対象に、農場への質問票調査と統計モデルを用いた解析により、疾病発生と飼養管理等との関連を定量的に明らかにする研究を進めています。
また参加型フォーカスグループ調査などの質的研究も行っています。疾病に関連する社会システムや対策における問題点、現場の受け止め方など、定量的研究だけでは明らかにすることが難しい情報を関係者から共有してもらうことで明らかにし、定量的研究と組み合わせることで実践的な解決策につなげる研究も実施しています。
国際協力も研究の重要な側面です。アジア・アフリカ諸国との共同研究では、現地の課題に即した調査・分析を行うことで、グローバルな視点から動物疾病対策とOne Healthの実現に寄与しています。また、本邦で開催される発展途上国の獣医官向けJICA研修の講師を通じて、獣医疫学の教育・人材育成も進めています。
今後もデータ分析と現場知見を融合させることで、持続可能な畜産と公衆衛生の発展に貢献していきたいと考えています。

タンザニアでの質問票調査 タンザニアでの質問票調査
タンザニア・マサイ族らとの参加型調査 タンザニア・マサイ族らとの参加型調査
国内でのフォーカスグループ調査 国内でのフォーカスグループ調査
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

獣医疫学は畜産現場における疾病対策の効率化や経済的損失の低減に直結します。農場単位のリスク要因解析により、飼養管理の改善点を科学的に示すことで、発生予防や衛生水準の向上につながります。さらに、得られた知見は畜産経営の安定化だけでなく、食品安全や貿易リスクの低減、公衆衛生の確保にも応用可能であり、産業界や行政の意思決定を科学的に支援します。加えて、お手持ちのデータを活用した疾病リスク評価や対策立案に関する分析も可能です。効率的な対策を実施したい、あるいは意思決定のためのデータ活用に課題を抱えている方からのご相談をお待ちしています。