能田  淳

獣医保健看護学類

能田  淳 のうだ じゅん

教授

研究室番号
B3-202

教員・研究室

取得学位 Ph. D.
研究室・ユニット名 動物と人の関係学
研究テーマ 地球環境で考える、ヒト・動物・環境の健康:ワンヘルスに向けた環境衛生学
学びのキーワード 人と動物の健康地球環境ワンヘルスバイオエアロゾル公衆衛生
教育・研究への取り組み より健康な社会のために衛生と環境を併せて考えていくことで、病気にならない、なりにくい環境を構築するために研究、そして教育活動を展開しています。具体的には、感染症に向きあえる社会を目指して、未解明な要素が多く存在する空気を介した感染症について、どの様な要素、仕組みが強く関係しているのか、実験室と国内外のフィールド測定を通して実験・調査研究を進めています。
受験生へのメッセージ 今では当たり前のように、蛇口を開けば清潔な水が出てきて、安全な食品が流通している社会、100年前は想像もつかないことでした。今日、世界は新たな感染症、災害の対策が必要となってきています。獣医療の職域でもある公衆衛生の維持、向上には、新たな視点、取り組みが必要です。是非皆さんも健康で快適な社会づくりに参加してみてください。
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研究シーズ

研究キーワード バイオエアロゾル 感染症対策 環境衛生
バイオエアロゾルの健康への影響評価、畜産・農業分野での応用
研究の概要・特徴

本研究室では微生物や生物由来の成分を含むエアロゾル、バイオエアロゾルを主軸とした研究を進めています。身近な例として、感染を引き起こしてしまう細菌、ウイルスなどのバイオエアロゾルの挙動やそれらの生物活性の変化を把握することです。また、バイオエアロゾルと混在する様々な物質が、どの様にエアロゾル中の微生物の活性に影響を及ぼすかについて研究を進めています。微生物の生存に寄与する環境因子がわかれば、それを排除する、又は避けることが感染症の予防対策に繋がるのではないかといった考えです。逆にヒトや動物にとって有益バイオエアロゾルは、活性を保持させる時間を延ばして、有効利用する研究にも取り組んでいます。
屋外における調査として全国5拠点での屋外大気エアロゾルサンプリングを推進しており、バイオエアロゾルと混在物質の測定、調査を進めています。結核の患者を追い抜き、増加傾向にある非結核性抗酸菌症の原因菌に地域差が見られていることから、その因子を特定すべく他機関と共同で研究を進めています。実験室における調査では異なる容積、材質の模擬大気チャンバーを保有しており、特定の空間環境におけるバイオエアロゾルの挙動把握も並行してすすめています。
さらに学内の異なる家畜飼育施設にて、オゾンガスや次亜塩素酸水などを活用した家畜の衛生管理に寄与するための消毒方法の実証試験なども進めています。また、現在多くのペットが室内で飼育されていることに鑑みた室内環境、居住者への健康影響についての予備調査を住宅にて実施しています。
これらの研究への取り組みはヒト、動物、環境の健康を統合的に考えて推進していくワンヘルスのアプローチが大きな骨組みになっています。感染症への予防対策から、畜産、農業活動の安定化による食料確保に向けて広く貢献できる研究を目指しています。

担体との混和試験などが可能な2房式擬似大気チャンバー 担体との混和試験などが可能な2房式擬似大気チャンバー
感染性バイオエアロゾルでの試験が可能な擬似大気チャンバー 感染性バイオエアロゾルでの試験が可能な擬似大気チャンバー
牛舎空間における実証試験の様子 牛舎空間における実証試験の様子
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

バイオエアロゾルの衛生管理についての検証を牛舎、鶏舎、豚舎などの畜舎空間、犬や猫などのペット飼育空間、また実験室での模擬大気チャンバーなどにて行うことが可能です。さらに、異なる担体とのに混在による空間中のバイオエアロゾル活性保持効果の検証が行えるため、家畜や作物に良い効果を持つ微生物を安定した状態で供給できるかについての試験の実施もできます。実験室にはバイオハザードレベル2に対応した実験スペース、安全キャビネットを保有しており、病原性を持つ微生物の取り扱いもできます。異なるエアロゾル測定装置やサンプラーを保有しており、エアロゾル全般、バイオエアロゾルに特化した捕集が可能です。異なる環境モニタリングから、実験室での再現試験をトータルで実施出来る体制が整っていることが当研究室の強みです。