大谷 克城

食と健康学類

大谷 克城 おおたに かつき

教授

研究室番号
C3-202

教員・研究室

取得学位 医学博士
研究室・ユニット名 臨床栄養学
研究テーマ 抗酸化活性に着目した食素材の探索と機能性に関する研究
学びのキーワード 管理栄養士臨床栄養抗酸化機能食品分析酸化ストレス食品開発
教育・研究への取り組み 食事は健康維持や増進には欠かせません。臨床栄養学は、様々な疾患と食事の関連性を理解し、状況に応じた栄養ケアをどのように実践していくのかを学ぶ分野です。当研究室では、健康維持に重要な栄養素として近年注目されている抗酸化物質に着目し、吸収、代謝そしてからだへの作用を研究し、食素材の抗酸化機能評価などを通じて、新たな機能性食品の可能性を追求しています。
受験生へのメッセージ 近年、管理栄養士は、様々な領域で活躍しています。本学の管理栄養士コースには、将来に繋がる多様な専門分野の教員が揃っています。必ずあなたが興味を抱くものが見つかります。将来何をやりたいか決まっていなくても、食に興味があれば、是非、酪農学園大学に来てください。自分に合った将来がきっと見つかります。あなたと共に学べる日を楽しみにしています。

研究シーズ

研究キーワード 抗酸化機能 ポリフェノール カロテノイド
抗酸化機能に着目した食素材研究と新たな機能性食品の開発
研究の概要・特徴

 北海道では、冷涼な気候をいかして様々な食素材が栽培されていたが、急速な気候の変動からこれまでにない新たな野菜や果実などが近年栽培されるようになってきた。また、健康志向の高まりから、おいしさや新鮮さに加えて素材の持つ機能性が注目されている。
 私たちのからだは常に酸化を受けて傷害されていることから、酸化に抵抗する抗酸化物質を含む食品の摂取することが重要である。そこで、どのような食素材をどのように摂取したら抗酸化力が得られるのか?抗酸化機能について科学的に分析を行い、新たな機能性食品の開発につながる研究を行っている。
 抗酸化物質には、ポリフェノール類やカロテノイド類があるが、これらの含有量は素材により異なり、抗酸化力は成分により大きく異なる。さらに気候や土壌の条件、栽培方法などにより、同一の作物であっても異なる。また、どのように加工や調理するかも効率よく抗酸化力を得るためには重要となる。そこで、これらを評価するために下記の取り組みを行っている。
  抗酸化物質の含有量の分析
   ・総ポリフェノール濃度測定(フォーリン・チオカルト法)
   ・ポリフェノールプロファイル分析(約30種類のポリフェノールの定量分析)
  抗酸化力の評価
   ・ORAC(Oxygen Radical Absorbance Capacity)分析(ポリフェノールの抗酸化力)
   ・SOAC(Single Oxygen Absorption Capacity)分析(カロテノイドの抗酸化力)
 当研究室では、このような多様な素材を抗酸化物質の含有量および抗酸化力で評価し、より高い抗酸化力を有する素材を探索、さらにその加工方法について検討することで、生産者や企業と協力し、新たな高機能性食品の開発を目指している。

抗酸化機能分析の概要 抗酸化機能分析の概要
抗酸化力が高い道産素材ベスト20 抗酸化力が高い道産素材ベスト20
これまでにORAC値の表示を行った商品 これまでにORAC値の表示を行った商品
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

 抗酸化機能に関する研究は、2007年からの文部科学省の知的クラスター創成事業、地域イノベーション戦略支援プログラムを通じて展開してきた。2009年8月に「抗酸化機能分析研究センター」開設、2018年本学への移設に伴い「抗酸化機能分析教育研究センター」に名称変更し、①抗酸化機能に関する分析・研究、②大学・地域における食育活動(学生研究、講演会等)③抗酸化機能性素材・食品の開発に取り組んでいる。
 これまで分析を行ったすべての素材は、フリーズドライした後、窒素置換した容器にて-80℃で安定な状態で保管し、素材情報や分析データはひも付けされてデータベース化している。データベースは誰でも自由に検索でき、素材は無償で提供できる体制が整っているので、食の抗酸化機能に興味のある生産者、加工業者、研究者の方と新たな機能性食品の開発を目指していきたい。