立木 靖之

環境共生学類

立木 靖之 たちき やすゆき

准教授

研究室番号
B1-210

教員・研究室

取得学位 農学博士
研究室・ユニット名 生物多様性保全
研究テーマ 持続可能な地域社会と生物多様性の保全についての研究
学びのキーワード 鳥獣対策生物多様性フィールドワーク海外環境保全地域社会
教育・研究への取り組み 野生動物と人の軋轢や、地域の生物多様性に発生する課題の多くは人間側に要因があります。こうした点を理解し、地域の問題を分析して課題を解決できる人材を育成します。具体的には市街地に出没するエゾシカの問題や、劣化した環境の再生等をテーマに、地域と連携しつつ研究を行っています。
受験生へのメッセージ 北海道は日本で一番大きな面積を持つ都道府県で番国立公園の面積も日本一です。また森林面積、湿原面積、保護地域の面積、それに支えられた食料自給率も日本一です。このような環境は野生動物や生物多様性の保全を学ぶ最高のフィールドを提供してくれます。ぜひ一緒にこの広い北海道で学びましょう。

研究シーズ

研究キーワード 生物多様性保全 人間事象 地域ぐるみの野生動物観緯
生物多様性保全におけるHuman Dimensionの解決
研究の概要・特徴

全国的に市街地に出没する野生動物は大きな問題となっているが、この要因を詳細に検討した事例は少ない。筆者は札幌市に出没するエゾシカの対応業務を長く担当しており、市街地における対応の難しさや人口密集地ならではの課題を目の当たりにした。筆者は人と野生動物の軋轢には、人間側と野生動物側の両者にその要因があるという立場である。そのため、近年の研究では浜中町、厚岸町、稚内市等において調査対象周辺地域のエゾシカの生息密度、GPS首輪による行動解析、市街地に進入したエゾシカの行動や採餌状況といった調査を行っている。また地域住民がこの状況をどのように感じているか、なぜ市民がこの状況を容認しているかといった社会科学的なアプローチも行って本問題の要因を考察している。さらに地域住民と共にシカの侵入防止柵や電気柵の点検を行うなど地域ぐるみの取り組みを行い、地域に根差した持続可能な鳥獣害対策の確立を目指している。
これらによってによって得られた知見は将来的に全国の市街地で発生する可能性があるアーバンワイルドライフ問題の解決と、人と野生動物の共存に資する成果となると考える。

産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

中山間地域における人口減少が全国的に問題となる中、鳥獣による農作物被害や生活被害は地域の活性を低下させ、ひいては地域社会全体の存続にも影響を与えると考えます。本来、その地域は地域社会が自身で守っていく必要があると考えますが、行き当たりばったりの対策が取られている事例が多くみられます。どうすれば地に足の着いた持続可能な鳥獣害対策や野生動物との共存が実現できるか、といったことを、自然科学と社会科学の両面から考えていきます。地域に発生する課題があればご相談いただければと思います。