岡本 吉弘

循環農学類

岡本 吉弘 おかもと よしひろ

准教授

研究室番号
C2-307

教員・研究室

取得学位 博士(農学)
修士(農学)
研究室・ユニット名 植物育種学
研究テーマ 水稲を中心とした遺伝・育種に関する研究
学びのキーワード 農学品種改良バイオ葯培養遺伝子遺伝変異
教育・研究への取り組み イネの葯培養法による品種改良では、F1雑種のおしべ(葯)の花粉から誕生するイネを利用します。葯の中では減数分裂により、両親と異なる遺伝子の組合せを持った花粉がたくさん誕生します。この中から葯培養に反応する遺伝子に引きずられてイネが再生します。このイネが持つ遺伝子群の偏りが、品種育成の障害になるのかに関心を寄せています。
受験生へのメッセージ 循環農学類には様々な専門分野の教員がいます。専門分野という木(教員,研究室)がたくさん集まり、循環農学類の森を形成しています。受験生の皆さん、循環農学類の森に来て、夢中になれる専門分野を見つけましょう。その専門の木から循環農学類の森を観る力を、大学4年間で身につけてください。
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研究室探訪

研究シーズ

研究キーワード 葯培養 種間交雑 倍数性
水稲における飛躍的に高い葯培養法の開発
研究の概要・特徴

イネの葯培養法は水稲品種を早期に育成する実用技術として育種現場で定着している。しかし、葯培養効率は決して高くなく、葯置床やカルス移植の作業をはじめ、それらの培地作成など多大な労力によって半数体植物が作出されている。本研究では、葯培養効率に関与する要因を再検討し、飛躍的に高い葯培養法の開発を目指す。
【研究内容】
イネのF1葯を培養することにより、花粉由来の倍加半数体植物が獲得される。倍加半数体系統獲得までには、大きく三つの過程を経る必要がある。①F1葯由来の花粉(小胞子)のカルス化、②カルスからの半数体植物体化(再分化)、③半数体植物の人為的または自然の染色体倍加化、である。すなわち、これら①~③の三つは葯培養効率の構成要素と考えることができる。したがって、飛躍的に高い葯培養法を開発するには、これら三要素それぞれが最適となる条件を明らかにするとともに、三要素の関係性も考慮する必要性がある。

【特徴】
1)葯培養研究に欠かせない穂ばらみ期の材料養成技術  2)培養に最適な花粉発育ステージの特定技術
円形16粒播きポット栽培法(写真1~4)         1核中期から後期の葯の選定(写真5)

3)これまでに改善研究に取り組んだ葯培養法
三段階培養法や二段階培養法(写真6と7)

写真1-4:円形16粒播きポット栽培法 写真1-4:円形16粒播きポット栽培法
写真5:1核中期(C,D)から後期(E)の葯の選定 写真5:1核中期(C,D)から後期(E)の葯の選定
写真6と7:三段階培養法や二段階培養法でのカルス形成 写真6と7:三段階培養法や二段階培養法でのカルス形成
産業界等へのアピールポイント(用途・応用例等)

・産業上での利用形態
高効率の培養法の開発は育種現場で活用することが可能となる。
F1葯培養により多数の遺伝的固定系統であるDHLsを生み出すことが可能であり、このDHLsのものには直ちに品種となりうるものも含まれる可能性がある。

・共同研究の可能性
葯培養効率の①カルス化と②半数体植物化の能力判定の実施。
葯培養効率に関与する遺伝子領域を明らかにするための材料育成。